イングランド南東部における旋毛虫症の集団発生−英国

ロンドン西部とその北のハートフォード県に住むユーゴスラビアからの移民の間に8名(訳注:原文では8名であるが患者は5名であると思われる)の旋毛虫症の集団発生が見られた。原因食品はセルビアから英国に持ち込まれた感染豚肉由来のサラミであった。このサラミが4家族に贈られ、少なくとも8名が喫食、そのうちの5名は12月末までに典型的な旋毛虫症の症状(発熱、筋肉痛、浮腫、発疹、心筋浸潤等)で発病した。5名はアルベンダゾルまたはチアベンダゾルにより治療された。

これらの症例は旋毛虫症の典型的な発病時期(感染肉を食べてから3週間目、幼虫が体内を移動する時期)に発症している。診断は臨床的になされたが、血清診断も平行して行われた。本症はどこでも起こりうる疾患で、同様の集団発生がドイツにおいて1998年11月〜1999年1月の間に2件発生している(本月報Vol.20、No.8、外国情報参照)。その原因食品はひき肉(豚肉を含む)および生の薫製ソーセージであった。最近では馬肉関連の旋毛虫症も報告されている。

(CDSC、 CDR、 10、 No.2、 9、 2000)

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