国立感染症研究所 感染症情報センター
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高病原性鳥インフルエンザ



新型インフルエンザA(H1N1)の流行状況−更新19

          
2009年10月23日

国立感染症研究所 感染症情報センター

国内の状況

1. 定点サーベイランスによる現状とインフルエンザ様疾患発生報告(図1)

 感染症発生動向調査によるインフルエンザの報告は増加傾向にあり、第41週(10月5日から11日)の1週間に61,583例で、定点あたりの報告数(1週間の1医療機関当たりへの受診患者数)は12.92で39週(4.25)と比べて増加した(http://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/weeklygraph/01flu.html)。この報告に基づいた第41週10月5日から11日)における患者数の推計は全国に約64万例であった。都道府県別で定点あたりの発生報告が大きいのは北海道(38.96)、愛知県(23.52)、福岡県(23.48)の順で、北海道は全体で警報(定点あたり報告数30.00以上)レベルとなり、30保健所中14保健所(47%)で警報レベルを超え、10保健所(33%)で注意報(定点あたり報告数10.00以上)を超えている(詳しくはインフルエンザ流行レベルマップを参照)。多くの都道府県で増加傾向である。
 厚生労働省結核感染症課が取りまとめているインフルエンザ様疾患発生報告によると、41週では全国で学級閉鎖学校数が4,535校、学年閉鎖学校数が1,482校、休校数が459校であった。




図1 インフルエンザ患者発生報告およびインフルエンザ様疾患患者発生報告


2. 新型インフルエンザによる入院患者数の概況

 厚生労働省の公表(http://www.mhlw.go.jp/za/0730/d20/d20-03.html)によると、新型インフルエンザによる入院患者数の報告数は10月7日から13日に364例の報告があった(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/rireki/090917-02.html)。また、クラスターサーベイランスによる新型インフルエンザ様患者の集団発生報告は前回の報告から8,047施設増加し、臨時休業を実施した施設は4,307施設増加した(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/rireki/090917-01.html)。


3. インフルエンザウイルス分離・検出状況(図2)

 病原微生物検出情報によると、全国で2009年19週から42週までに採取された検体から分離・検出されたインフルエンザウイルスの型・亜型別内訳では、ほとんどが新型インフルエンザウイルスAH1pdmである(図2)。


図2  週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数


世界の状況
(詳細はWHO:パンデミック(H1N1)2009-更新70を参照)

 北半球の温帯地域の多くの国でインフルエンザの活動性が増加している。アメリカでは季節性インフルエンザのベースラインよりも高く、臨床検体から新型インフルエンザの検出割合が高い。メキシコは感染規模が拡大している。欧州、中央/西アジアではいくつかの国では季節性のベースラインを突破、北米ほどは拡大していない。中国ではウイルスの半数が季節性(H3N2)であり、新型H1N1ウイルスと共にウイルスが循環している。熱帯地域はピークにある国、減少傾向にある国がある。ボリビア、ブラジル、コスタリカなどでは減少し、カリブ海地域では増加している。東南アジアの国々では減少傾向である。南半球の温帯地域は全体的に減少傾向で、この時期のベースライン以下になった。


(2009/10/23 IDSC 更新)

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