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「国の健康危機管理体制について」
厚生労働省大臣官房厚生科学課健康危機管理官
岩崎 康孝


 1. 健康危機管理業務に関する今般の状況

 健康危機管理は、医薬品、食中毒、感染症、飲料水その他何らかの原因により生じる、国民の生命、健康の安全を脅かす事態にたいして行われる健康被害の発生予防、防止拡大、治療等に関する業務とされている。
 近年、我が国では、平成7年の地下鉄サリン事件を始め、SARSや高病原性鳥インフルエンザなどの新興再興感染症、米国の炭疽菌事件があり、健康危機管理は国内、国外を問わず喫緊の課題となっている。

    2.我が国の健康危機管理体制の概要

 我が国では、健康危機管理を含めた災害全般に対して、緊急応需体制を機動的に行うべく、体制を整えつつある。
 従来は、災害に対して災害対策基本法を定め対応してきたが、平成16年には、テロなどの武力攻撃事態等に対する国民保護法が可決成立し、現在その施行に対して準備を行っていることろである。
 政府の緊急事態対処体制は、阪神・淡路大震災以降大規模自然災害を中心に整備されてきたが、様々な緊急事態に対処できる総合的な体制を整備し、事態により柔軟、適切に対処するため、平成15年11月、閣議決定等の現行規定を再編成し、すべての緊急事態を通じた政府としての初動対処体制を明確化した。
 また、健康危機管理業務を行うため、平成9年1月に健康危機管理基本指針を策定し、厚生労働省の健康危機管理体制の基本的な枠組みが定められている。 

  3.国際的な健康危機管理体制について

 平成13年11月、世界的な健康危機管理の向上及びテロ行為に対する準備と対処に係る各国の連携を図ることを目的に、保健大臣を中核とする世界健康安全保障グループ(GHSAG:Global Health Security Action Group)が発足した。
 公衆衛生上重大な危機となる生物テロ、化学テロ、事態の重大性や規模等を客観的に評価するための危機管理指標、研究所間ネットワーク等の技術的検討を行い、年間を通じて参加国間での頻繁な情報・意見交換が可能になっている。
 ※ 参加国・機関は米、英、加、独、仏、伊、日(以上G7)、メキシコ、EU及びWHO。


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