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「国における感染症対策について」
厚生労働省健康局結核感染症課長
遠藤 弘良

平成13年12月より3回にわたって有識者からなる専門委員会を開催し、生物テロ発生に対して、厚生労働省が事前に行うべき対応を平成14年3月に提言を受けた。今回は、その概要を説明したい。

厚生科学審議会感染症分科会感染症部会大規模感染症事前対応専門委員会報告書
〜生物テロに対する厚生労働省の対応について〜 (平成14年3月)

【対応の考え方】
 ・ 生物テロ発生の脅威は、自らの問題としての取組が必要。
 ・ 感染症対策の枠組みの充実・強化と必要に応じた見直しが必要。
 ・ 発生予防、事前準備、被害の限局化といった一般的対策の基本を 十分に踏まえることが必要。
 ・ 特に、事前に十分な検討と準備を行うべき課題は以下のとおり。

    − 政令制定等を含む法的対応の想定
    −  精度の高い感染症発生動向調査体制の構築
    − 十分な情報の蓄積、容易に入手可能な情報の提供

【特に留意すべき感染症】

 ・ 天然痘
 ・ 肺炭疽
 ・ その他(肺ペスト、ボツリヌス症、野兎病、ウイルス性出血熱)

【事前対応の考え方】

・ 「想定される状況レベル」と「迅速かつ的確な対応」を勘案して、想定・準備し、必要な状況に応じて迅速な対応をとる。
・ 対応を行うべき事項

 (1) 生物テロ発生の迅速な把握(症候群別サーベイランス 等)
 (2) 法律に基づく対応    (指定感染症の指定等の政令制定 等)
 (3) 必要とされる医薬品の確保、供給等  (天然痘ワクチン 等)
 (4) 医療の提供             (感染症指定医療機関以外での治療 等)
 (5) その他

・ 発生時の対応 <別添資料:生物テロの対する対応の概要>
【今後の課題】
・ 技術的事項の具体化
 (診断、治療等に関する情報提供、症候群別サーベイランス、政令制定等の手続き、予防接種の技術的指針、研究開発 など)
・ 関係省庁との役割分担

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