感染症情報センター地域保健平成13年度危機管理研修会





国立公衆衛生院 特別課程 疫学統計コースのおすすめ

国立公衆衛生院疫学部環境疫学室
 藤田 利治

疫学をどう学ぶか
・保健所の調査研究機能:
     最近になって急に強調されたわけではない
・保健所の行う研究と研究者の行う研究の重要な違い:
    「必要に応じて」行うということであり、不必要なことはやらなくてよい
まず地域の健康問題に関心をもつこと
   注意深く観察すれば健康問題がないということはまずない
・その保健所の地域に固有の問題ならば、その保健所が積極的に対応しない限り解決の路はない


調査計画書の作成演習
@身近な健康問題に関する課題を取り上げる
Aその問題を解決(解明)するためにはどのような情報が必要であるかを考える
Bその情報を得るためにはどのような調査研究が必要であるかを考える
C調査計画書(背景、目的、調査内容〔具体的な調査票を含む〕、解析計画など)を作成する


「O157の疫学調査法を教えてくれ」
@O157の疫学調査法をマスターするためには疫学方法論を一通り理解することが前提
A疫学方法論を理解するには科学する精神が必要
B科学するには常識(非常識な発想をしないということ)が必須

特別課程 疫学統計コース

過去2回の本コースでの調査課題
平成10年
 喫煙及び禁煙意識と健康行動・環境行動
 脳卒中患者の寝たきり度の改善に関する要因
 腸管出血性大腸菌感染症と食品との関係について
 高知県における疾病の集積性について: 死亡指標の評価と疾病地図への応用
 基本健康診査における糖尿病異常者(要指導・要医療者)に関する調査
 3歳児における肥満度への関連因子について
 気管支喘息患者死亡者の低身長
 インフルエンザによる超過死亡の算定方法の検討
 全国年間外来患者総数の推計について 

平成11年度
 青森県における疾病の地域集積性と栄養状況
 卵の消費実態調査
 保健医療福祉関係者のエイズに関する意識調査にもとづく知識と態度の関連性
 花粉症特異症状保有者と生活環境
 島の高齢者の健康状態
 滋賀県における喫煙と骨塩量の関係
 臨床からみた医療費の施設間較差の原因解明に関する研究:白内障の治療について

疫学研究計画書の構成例
・目的
  具体的な仮説、研究する意義など
・研究デザイン
・研究方法
  対象集団と対象者の選択方法
  調査項目
  検討要因、アウトカム、潜在的交絡因子
  調査実施方法
  目標対象者数とその根拠
・調査票など
・統計解析計画
  統計的推測の方法を含む集計表の様式など

統計解析の実施
・統計解析ソフトを使用する
  SPSS(Statistical Package for the Social Sciences)
  SAS(Statistical Analysis System)
  HALBAU
・統計計算の電卓として
  FSTAT

国立公衆衛生院 入学案内
http://www.iph.go.jp/nyu/html/nyu-top.htm

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