第４セッション　食中毒情報



サルモネラO7のDiffuse Outbreak
厚生省生活衛生局食品保健課
課長補佐　桑崎　俊昭


１．経緯
　別紙１のとおり。

２．患者発生状況（５月１４日集計）
　全国４６都道府県において、１５０５名（食中毒の疑いのある者を含む）。
　詳細は別紙２のとおり。

３．厚生省公表回収対象商品数
バリバリいか等２０商品。
詳細は別紙３のとおり。

４． いか乾製品の製造工程
別紙４のとおり。

５． いか乾製品からのサルモネラ検出状況
９８５検体中、６８９検体陽性。
詳細は別紙５のとおり。

６．食中毒発生原因の究明及び今後の予防対策等
（１）青森県において、「サルモネラ・オラニエンブルグ食中毒事件原因究明委員会」を設置し、検討中。
（２）厚生省としては、委員会の検討結果を踏まえ、再発防止に向けて、必要な対策を講じることとしている。
（３）また、大規模食中毒の発生等の緊急時における厚生省と各自治体間の双方向の連絡を、より一層迅速かつ確実に行うため、オートダイアルアナウンスレコードシステム（ADARS）を導入した（別紙６）。

７．その他
　　今回の食中毒は、サルモネラ・オラニエンブルグ及びサルモネラ・チェスターの混合感染と考えられているが、サルモネラ・チェスターについてはリジン非要求性であることから検査過程で見落とされるおそれがあるので、注意が必要とされる。


別紙１

　　　　　いか乾製品を原因食品とするサルモネラによる食中毒事件の経緯

・４月２日（金）　
　　川崎市が、サルモネラによる集団食中毒について発表。

・４月８日（木）
　　東京都から厚生省に青森県の丸松水産が川崎市の食中毒の原因食品の供給元である疑いが強いとの情報提供。

・４月９日（金）
　　厚生省から都道府県等に対し、いか乾製品のサルモネラによる食中毒防止のための監　　視強化について通知。同日、青森県が、丸松水産に対し、回収命令を実施。

・４月１６日（金）
　　いか乾製品の詳細な流通経路等を厚生省が公表。

・４月１９日（月）
　　各都道府県等における患者の発生状況等を厚生省が公表（患者数（疑いを含む）３６７名）。

・４月２０日（火）
　 ４月１９日の調査結果の続報を発表するとともに原因究明に協力するため職員２名を青森県に派遣（患者数（疑いを含む）４５３名）。

・４月２６日（月）
　　青森県において、汚染及び増殖要因の検討のため、第１回「サルモネラ・オラニエンブルグ食中毒事件原因究明検討委員会」を開催。

・５月１７日（月）
　　各都道府県等における患者の発生状況等を厚生省が公表。患者発生状況の推移から、ほぼ終息（患者数（疑いを含む）１５０５名）。

・６月１０日（木）
　　第３回「サルモネラ・オラニエンブルグ食中毒事件原因究明検討委員会」を開催。最終報告（案）の検討。

別紙２
都道府県別発生状況（５／１４集計）
患者数 再掲 患者数
自治体名 確定 推定 合計 自治体名 確定 推定
1 北海道 39 2 41 札幌市 15 0
2 青森県 3 22 25 仙台市 0 0
3 岩手県 5 0 5 千葉市 4 0
4 宮城県 6 0 6 横浜市 13 0
5 秋田県 0 4 4 川崎市 29 0
6 山形県 2 31 33 名古屋市 26 2
7 福島県 0 25 25 京都市 1 4
8 茨城県 14 0 14 大阪市 22 8
9 栃木県 23 0 23 神戸市 4 1
10 群馬県 52 6 58 広島市 17 10
11 埼玉県 23 11 34 北九州市 6 2
12 千葉県 36 0 36 福岡市 0 8
13 東京都 6 23 29 小樽市 2 0
14 神奈川県 58 5 63 函館市 3 0
15 新潟県 1 0 1 秋田市 0 0
16 富山県 6 0 6 郡山市 0 0
17 石川県 10 12 22 いわき市 0 1
18 福井県 0 1 1 宇都宮市 5 0
19 山梨県 0 0 0 横須賀市 6 0
20 長野県 1 3 4 新潟市 0 0
21 岐阜県 87 41 128 富山市 0 0
22 静岡県 16 7 23 金沢市 0 5
23 愛知県 71 47 118 長野市 1 0
24 三重県 24 63 87 岐阜市 25 0
25 滋賀県 8 0 8 静岡市 8 1
26 京都府 3 5 8 浜松市 0 2
27 大阪府 54 36 90 豊田市 3 0
28 兵庫県 11 93 104 豊橋市 5 1
29 奈良県 11 28 39 堺市 7 9
30 和歌山県 51 26 77 東大阪市 3 4
31 鳥取県 0 4 4 尼崎市 1 1
32 島根県 1 0 1 姫路市 6 11
33 岡山県 0 50 50 和歌山市 36 13
34 広島県 28 26 54 岡山市 0 18
35 山口県 32 0 32 呉市 1 8
36 徳島県 0 8 8 福山市 5 2
37 香川県 20 5 25 下関市 - -
38 愛媛県 1 2 3 松山市 1 0
39 高知県 5 0 5 高知市 3 0
40 福岡県 41 10 51 高松市 0 2
41 佐賀県 0 19 19 大牟田市 0 0
42 長崎県 26 38 64 長崎市 26 11
43 熊本県 11 21 32 佐世保市 0 5
44 大分県 18 9 27 熊本市 11 2
45 宮崎県 13 1 14 大分市 1 4
46 鹿児島県 2 0 2 宮崎市 5 1
47 沖縄県 2 0 2 鹿児島市 0 0
計 821 684 1505 ＊下関市は山口県に含む
合計 １５０５名



別紙３
サルモネラによる食中毒について（第８報）

　　いか乾製品によるサルモネラ食中毒について、下記のとおり、新たに１品目（合計２０品目）について回収対象となりましたので、消費者に対し、これらの製品の喫食を控えるべき旨の注意喚起について、引き続き御協力のほどお願いします。

○４月２８日現在で判明している回収命令対象品は以下のとおりである。

品名 販売者 小分製造者
バリバリいか （有）シンコー商会　（埼玉） 同左
お好みちんみ （有）シンコー商会　（埼玉） 同左
おやつちんみ （株）まめいち信生Ｎ（東京） （有）大道運輸（埼玉）
（株）まめいち信生Ｎ（東京） 信生食品工業（株）むつ工場(青森)
（株）まめいち信生Ｎ（東京） （有）川峰（埼玉）
（株）まめいち信生Ｎ（東京） 信生食品工業（株）新座工場(埼玉)
元祖おやつちんみ （株）まめいち信生Ｎ（東京） （有）川峰（埼玉）
（株）まめいち信生Ｎ（東京） 信生食品工業（株）新座工場(埼玉)
元祖東京おやつちんみ （株）まめいち信生Ｎ（東京） （有）川峰（埼玉）
（株）まめいち信生Ｎ（東京） 信生食品工業（株）新座工場(埼玉)
大江戸おやつちんみ （株）まめいち信生Ｎ（東京） 信生食品工業（株）新座工場(埼玉)
いかすぜ いかジャーキー （株）まめいち信生Ｎ（東京） 信生食品工業（株）新座工場(埼玉)
するめジャーキーカット （株）タクマ食品　 　(愛知） 同左
お好みＩＫＡソーメン （株）やおきんＹ３１（東京） （有）シンコー商会 (埼玉）
健康かむちゃんするめそうめん 逢坂食品 （青森） 同左
するめジャーキー （株）タクマ食品　 　(愛知） 同左
するめそーめん(Ｕスルメソーメン) （株）ホクチン （石川） 同左
（株）オーシャンフーズHC(福岡) （株）ホクチン（石川）
するめそーめん （株）ホクチン （石川） 同左
味彩紀行するめソーメン （株）ホクチンＳ　　（石川） （株）三友商会本社工場(名古屋)
本造りするめそーめん (有)フジヤ珍味食品HK(静岡) （株）三友商会本社工場(名古屋)
漁火するめソーメン (有)フジヤ珍味食品FS(静岡) （株）三友商会小牧工場（愛知）
するめそーめん （株）三友商会Ｋ （名古屋） （株）三友商会小牧工場（愛知）
いかのごますり（おやつちんみ） （株）福岡大塩するめ（福岡） （有）シンコー商会 (埼玉）
するめソーメン （有）高松珍味堂Ｔ （香川） （株）三友商会本社工場(名古屋)
いかすぜー剣先イカ（ガーリック入り） （株）まめいち信生ND（東京） （有）大道運輸（埼玉）

＊（有）丸松水産以外からの原材料を用いているものについては回収対象外（調査中）

別紙５

検体別の菌数・水分活性


別紙６
オートダイアルアナウンスレコードシステム（ADARS）の通信情報の流れ



食中毒事件数（病因物質・年次別）


食中毒患者数（病因物質・年次別）


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