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◆コレラ
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写真1 .典型的な米のとぎ汁様の下痢便 |
写真2 .重症コレラ患者の痙攣 |
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各画像をクリックすると拡大図が見られます。 |
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病原診断
患者便からコレラ毒素を産生するO1 またはO139 血清型のコレラ菌を検出することによって診断する。検査材料としては新鮮な下痢便を用いる。コレラ毒素を検出する方法としては、逆受身ラテックス凝集反応(RPLA)やELISA法などの免疫学的な方法と、コレラ毒素遺伝子を検出するDNA プローブ法やPCR法が用いられる。
治療と予防
治療は大量に喪失した水分と電解質の補給が中心で、GES (glucose‐electrolytes‐ solution)の経口投与や静脈内点滴注入を行う。WHOは塩化ナトリウム3.5g 、塩化カリウム1.5g 、グルコース20g 、重炭酸ナトリウム2.5 g を1 リットルの水に溶かした経口輸液(Oral Rehydration Solution, ORS)の投与を推奨している。ORS の投与は特に開発途上国の現場では、滅菌不要、大量に運搬可能、安価などの利点が多く、しかも治療効果も良く極めて有効な治療法である。写真3 はORSによって重症コレラ患者が短期間に回復することを示した写真で、入院した乳児が2日後には元気に退院していることが示されている。
重症患者の場合には抗生物質の使用が推奨されている。その利点として、下痢の期間の短縮や菌の排泄期間が短くなることがあげられる。第一選択薬としては、ニューキノロン系薬剤、テトラサイクリンやドキシサイクリンがある。もし菌がこれらの薬剤に耐性の場合には、エリスロマイシン、トリメトプリム・スルファメトキサゾール合剤やノルフロキサシンなどが有効である。
予防としては、流行地で生水、生食品を喫食しないことが肝要である。経口ワクチンの開発が試みられているが、現在のところ実用化されていない。
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写真3 .ORS の治療効果(バングラデシュ国際下痢疾患研究所 提供) |
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A.月曜日に高度の脱水症状を呈して入院(眼窩がくぼみ、スキン・テンティングが著明) |
B.ORS を投与中 |
C.母親が抱いて退院(臨床症状は軽快しているが、患者はコレラ菌を1 〜2 週間は排菌する) |
感染症新法の中でのコレラの取扱い
コレラは感染症新法第2類感染症に属しており、コレラ、もしくは病原体保有者であると診断した医師は、直ちに最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なくてはいけない。患者は第二種感染症指定医療機関に原則として入院となるが、無症状者は入院の対象とはならない。報告のための基準は、以下の通りとなっている。
○診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下のいずれかの方法によって病原体診断がなされたもの
(材料)便など
・病原体の検出
V.cholerae O1またはO139 を分離・同定し、かつ、コレラ毒素産生性あるいはコレラ毒素遺伝子の保有が確認された場合
○疑似症の診断
臨床所見、コレラ流行地への渡航歴、集団発生の状況などにより判断する
(鑑別診断)食中毒、その他の感染性腸炎等
《備考》
・法による入院の勧告は、無症状のものは対象とならない。
学校保健法の中でのコレラの取扱い
コレラは学校において予防すべき伝染病第1種に定められており、治癒するまで出席停止となる。
(国立感染症研究所 所長 竹田美文)