国立感染症研究所 感染症情報センター
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IDWR 感染症発生動向調査週報

第39号ダイジェスト
(2007年9月24日〜9月30日)

 発生動向総覧


*2007年4月からの法改正に伴い、疾病の追加および並び順を一部変更しました。

全数報告の感染症

〈第39週コメント〉 10月4日集計分

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症: 報告なし
2類感染症: 結核185例
3類感染症: 細菌性赤痢8例(感染地域:宮城県1例、埼玉県1例、新潟県1例、タイ3例、中国1例、米国1例)
腸管出血性大腸菌感染症105例(うち有症者77例、うちHUS 1例、死亡なし)

感染地域:すべて国内
国内の多い感染地域:埼玉県(15例)*、東京都(10例)、大阪府(9例)、兵庫県(8例)、愛知県(7例)*うち、13例は保育園に関連した集団発生
年齢群:10歳未満(44例)、10代(12例)、20代(16例)、30代(10例)、40代(3例)、50代(5例)、60代(6例)、70歳以上(9例)
血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(53例)、O157 VT2(22例)、O26 VT1( 12例)、O157 VT1( 8例)、O103 VT1( 2例)、O18VT1・VT2(1例)、O91 VT1(1例)、O145 VT1(1例)、その他/不明(5例)

パラチフス2例(感染地域:沖縄県1例、スリランカ/タイ1例)
4類感染症: E型肝炎1例(感染地域:長野県.感染源:猪肉)
Q熱1例(感染地域:東京都.感染源:犬)
つつが虫病1例(感染地域:神奈川県)
デング熱2例(感染地域:マレーシア1例、ジャマイカ1例)
日本紅斑熱3例(感染地域:熊本県2例、愛媛県1例)
日本脳炎2例(感染地域:福岡県1例、熊本県1例.年齢群:40代1例、60代1例)
ライム病1例(感染地域:北海道)
レジオネラ症18例(すべて肺炎型)

年齢群:30代1例、40代1例、50代6例、60代3例、70代3例、80代3例、90代1例感染地域:広島県3例、東京都2例、愛知県2例、秋田県1例、福島県1例、神奈川県1例、富山県1例、岐阜県1例、静岡県1例、大阪府1例、兵庫県1例、国内(都道府県不明)2例、イタリア1例

レプトスピラ症1例(感染地域:宮崎県.感染原因:不明)
5類感染症:
アメーバ赤痢8例(すべて腸管アメーバ症)

感染地域:国内6例、中国1例、国外(国不明)1例
感染経路:経口3例、性的接触(異性間および同性間)1例、不明4例

ウイルス性肝炎1例〔B型_感染経路:性的接触(異性間)〕
急性脳炎1例〔病原体不明(2歳)〕
クロイツフェルト・ヤコブ病2例(ともに孤発性プリオン病古典型)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例(20代1例、30代1例)
後天性免疫不全症候群16例(無症候11例、AIDS 5例)

感染地域:国内14例、タイ2例
感染経路:すべて性的接触(異性間5例、同性間11例)

ジアルジア症1例(感染地域:タイ)
梅毒8例(早期顕症I期2例、早期顕症II期3例、無症候2例、先天梅毒1例)
破傷風2例(70代1例、90代1例)

(補)他に第38週までに診断されたものの報告遅れとして、細菌性赤痢2例(感染地域:埼玉県1例、トルコ1例)、E型肝炎1例(感染地域:香港/フランス.感染源:不明)、日本紅斑熱1例(感染地域:鹿児島県)、急性脳炎1例〔病原体不明(8歳)〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(70代)、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例(遺伝子型:VanC_菌検出検体:血液)等の報告があった。


定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)

全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000カ所)、眼科定点(約600カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ:定点当たり報告数は微増し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別では沖縄県(5.69)、香川県(0.25)、静岡県(0.11)が多い。

小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症は365例の報告があり、報告数は第33週以降増加が続いている。年齢別では、1歳以下の報告数が全体の約77%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では高知県(0.90)、広島県(0.51)、長野県(0.40)、熊本県(0.40)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では埼玉県(1.39)、鳥取県(1.32)、茨城県(1.28)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では島根県(6.1)、大分県(6.0)、宮崎県(5.7)が多い。水痘の定点当たり報告数は微減した。都道府県別では宮崎県(0.92)、新潟県(0.89)、福島県(0.88)が多い。手足口病の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では岩手県(2.4)、宮城県(2.3)、秋田県(2.1)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では福井県(0.41)、新潟県(0.36)、富山県(0.34)が多い。百日咳の定点当たり報告数は先週より減少したが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では栃木県(0.09)、千葉県(0.06)が多い。風しんの報告数は8例と微増した。都道府県別では東京都2例、北海道、秋田県、埼玉県、岐阜県、静岡県、大阪府から各1例の順であった。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第31週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では新潟県(2.6)、岩手県(2.0)、山形県(1.9)、静岡県(1.9)が多い。麻しんの報告数は増加し、14都道府県から44例の報告があった。都道府県別では福岡県17例、大阪府7例、神奈川県4例、京都府、兵庫県から各3例、長崎県から2例の順であった。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は微増した。都道府県別では高知県(1.50)、長崎県(1.07)、秋田県(1.06)が多い。

基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では沖縄県(2.3)、福島県(2.1)、富山県(1.0)が多い。成人麻しんの報告数は減少し、2県から2例の報告があった。都道府県別では、栃木県、鹿児島県から各1例であった。




 注目すべき感染症


◆ <今週は該当記事はありません>



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