国立感染症研究所 感染症情報センター
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IDWR 感染症発生動向調査週報

第38号ダイジェスト
(2007年9月17日〜9月23日)

 発生動向総覧


*2007年4月からの法改正に伴い、疾病の追加および並び順を一部変更しました。

全数報告の感染症

〈第38週コメント〉 9月27日集計分

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症: 報告なし
2類感染症: 結核173例
3類感染症: 細菌性赤痢3例(感染地域:すべて中国)
腸管出血性大腸菌感染症94例(うち有症者70例、うちHUS 9例、死亡なし)

感染地域:国内93例、韓国1例
国内の多い感染地域:愛知県(12例)、大阪府(8例)、福岡県(7例)、兵庫県(7例)年齢群:10歳未満(37例)、10代(14例)、20代(20例)、30代(9例)、40代(1例)、50代(8例)、60代(3例)、70歳以上(2例)
血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(44例)、O157 VT2(18例)、O26 VT1(7例)、O111 VT1(5例)、O157 VT1(3例)、O26 VT1・VT2(2例)、O103 VT1(2例)、O111 VT1・VT2(2例)、O121 VT2(1例)、O128 VT2(1例)、O145 VT1(1例)、O165 VT2(1例)、その他/不明(7例)

腸チフス4例(感染地域:インドネシア3例、バングラデシュ1例)
4類感染症: A型肝炎2例(感染地域:インド1例、インドネシア1例)
デング熱9例(デング熱8例、デング出血熱1例)
感染地域:インド2例、カンボジア2例、ジャマイカ1例、フィリピン1例、 タイ/カンボジア2例、インドネシア/台湾1例)
日本紅斑熱3例(感染地域:広島県1例、宮崎県1例、鹿児島県1例)
マラリア1例(三日熱_感染地域:ホンジュラス)
ライム病1例(感染地域:北海道)
レジオネラ症9例(肺炎型8例、無症状病原体保有者1例)

年齢群:40代1例、50代1例、60代4例、70代2例、80代1例
感染地域:静岡県2例、宮城県1例、栃木県1例(温泉)、東京都1例、神奈川県1例、長野県1例、愛媛県1例、国内(都道府県不明)1例

5類感染症:
アメーバ赤痢5例(すべて腸管アメーバ症)

感染地域:国内4例、インドネシア/ベトナム1例
感染経路:経口2例、不明3例

ウイルス性肝炎1例(B型_感染経路:不明)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(80代)
後天性免疫不全症候群22例(無症候15例、AIDS 5例、その他2例)

感染地域:国内19例、国外(国不明)3例
感染経路:性的接触20例(異性間5例、同性間15例)、静注薬物常用/性的接触(異性間)1例、不明1例

ジアルジア症1例(感染地域:国内)
梅毒9例(早期顕症I期2例、早期顕症II期3例、無症候4例)
破傷風1例(80代)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例(遺伝子型不明_菌検出検体:尿)

(補)他に第37週までに診断されたものの報告遅れとして、オウム病2例(感染地域:ともに青森県.感染源:ともにセキセイインコ)、日本紅斑熱3例(感染地域:兵庫県2例、島根県1例)、レプトスピラ症1例(感染地域:静岡県.死亡)、急性脳炎2例〔病原体不明2例(1歳、2歳)〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症4例(40代1例、50代1例、60代2例)等の報告があった。


定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)

全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000カ所)、眼科定点(約600カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ:定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別では沖縄県(5.38)、香川県(0.13)、静岡県(0.10)が多い。

小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症は299例の報告があり、報告数は第33週以降増加が続いている。年齢別では、1歳以下の報告数が全体の約78%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では高知県(1.17)、広島県(0.72)、富山県(0.48)、長崎県(0.48)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では鳥取県(2.53)、大分県(1.94)、秋田県(1.43)、山形県(1.43)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では島根県(7.0)、大分県(6.6)、福井県(5.0)、宮崎県(5.0)が多い。水痘の定点当たり報告数は横ばいであった。都道府県別では大分県(1.03)、高知県(0.73)、青森県(0.69)、石川県(0.69)、宮崎県(0.69)が多い。手足口病の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では山形県(2.9)、秋田県(2.8)、宮城県(2.6)、岩手県(2.6)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では新潟県(0.59)、長野県(0.58)、宮城県(0.48)が多い。百日咳の定点当たり報告数は横ばいであったが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では栃木県(0.09)、千葉県(0.09)、広島県(0.07)が多い。風しんの報告数は7例と微減した。都道府県別では北海道、千葉県、東京都、長野県、愛知県、大阪府、岡山県から各1例の順であった。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第31週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では新潟県(3.2)、山形県(2.5)、静岡県(2.4)、宮城県(2.3)が多い。麻しんの報告数は2週連続で減少し、10都道府県から31例の報告があった。都道府県別では福岡県16例、大阪府、広島県から各3例、神奈川県、愛知県から各2例、北海道、千葉県、東京都、京都府、高知県から各1例の順であった。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では高知県(0.80)、大分県(0.67)、秋田県(0.63)が多い。

基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では岡山県(1.80)、福島県(1.71)、沖縄県(1.00)が多い。成人麻しんの報告数は増加し、7都県から10例の報告があった。都道府県別では、宮城県、愛知県、愛媛県から各2例、秋田県、群馬県、東京都、長崎県から各1例の順であった。




 注目すべき感染症


◆ <今週は該当記事はありません>



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