国立感染症研究所 感染症情報センター
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IDWR 感染症発生動向調査週報

第21号ダイジェスト
(2007年5月21〜27日)

 発生動向総覧


*2007年4月からの法改正に伴い、疾病の追加および並び順を一部変更しました。

全数報告の感染症

〈第21週コメント〉 5月30日集計分

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症: 報告なし
2類感染症: 結核 257例
3類感染症: コレラ1例(感染地域:パキスタン)
細菌性赤痢7例〔感染地域:長野県1例、山口県1例、国内(都道府県不明)1例、インド2例、インドネシア1例、滋賀県/中国1例〕
腸管出血性大腸菌感染症28例(うち有症者24例、HUS 2例)

感染地域:すべて国内
国内の多い感染地域:福井県4例
年齢群:10歳未満(7例)、10代(6例)、20代(4例)、30代(3例)、40代(2例)、50代(1例)、60代(3例)、70歳以上(2例)
血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(8例)、O157 VT2(6例)、O111 VT1・ VT2(3例)、O26 VT1(2例)、O91 VT1(2例)、O121 VT2(1例)、O157 VT1(1例)、その他/不明(5例)

腸チフス1例(感染地域:インド)
4類感染症: A型肝炎2例(感染地域:熊本県1例、タイ1例)
エキノコックス症1例(多包条虫_感染地域:北海道)
つつが虫病6例(秋田県3例、青森県2例、岩手県1例)
デング熱1例(感染地域:ブラジル)
日本紅斑熱2例(感染地域:和歌山県1例、鹿児島県1例)
レジオネラ症6例(すべて肺炎型)

年齢群:40代1例、60代1例、70代3例、80代1例
感染地域:山形県1例、東京都1例、富山県1例、岐阜県1例、大分県1例(温泉)、国内(都道府県不明)1例

5類感染症:
アメーバ赤痢 10例

(腸管アメーバ症5例、腸管外アメーバ症4例、腸管および腸管外アメーバ症1例)
感染地域:国内9例、アルジェリア1例
感染経路:経口2例、性的接触2例(異性間1例、同性間1例)、不明6例

ウイルス性肝炎4例〔すべてB型_感染経路:性的接触3例(異性間2例、異性間・同性間不明1例)、不明1例〕
急性脳炎5例〔麻疹ウイルス1例(20代)、病原体不明4例(0歳2例、3歳1例、7歳1例)〕
クロイツフェルト・ヤコブ病3例(すべて孤発性プリオン病古典型)
後天性免疫不全症候群19例(AIDS 5例、無症候14例)

感染地域:国内15例、タイ1例、インドネシア1例、国外(国不明)2例
感染経路:性的接触15例(異性間5例、同性間9例、異性間・同性間1例)、不明4例

梅毒6例(早期顕症I期1例、早期顕症II期2例、無症候3例)

(補)他に報告遅れとして、コレラ1例(感染地域:インド)、細菌性赤痢1例(感染地域:東京都)、E型肝炎2例(感染地域:ともに愛知県.感染源:ともにいのしし肉)、レジオネラ症1例〔肺炎型_感染地域:岐阜県(温泉)〕、急性脳炎6例〔麻疹ウイルス1例(20代)、単純ヘルペスウイルス1例(10代)、A型インフルエンザウイルス1例(3歳)、病原体不明3例(0歳、2歳、10代)〕、クリプトスポリジウム症1例(感染地域:韓国)、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(60代)、髄膜炎菌性髄膜炎1例(感染地域:国内)などの報告があった。


定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)

全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000カ所)、眼科定点(約600カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ:定点当たり報告数は第12週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別では沖縄県(7.2)、秋田県(5.3)、岩手県(3.3)、北海道(3.0)が多い。

小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症は244例の報告があり、報告数は減少した。年齢別では、1歳以下の報告数が全体の約67%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では石川県(1.10)、富山県(1.07)、青森県(1.02)、広島県(0.90)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は減少し、過去5年間の同時期と比較してやや多い状態である。都道府県別では富山県(4.8)、埼玉県(4.0)、新潟県(3.7)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は微減したが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い状態である。都道府県別では鳥取県(12.8)、大分県(12.5)、三重県(10.5)、滋賀県(10.2)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では宮崎県(3.6)、和歌山県(3.6)、福井県(3.2)が多い。手足口病の定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別では熊本県(2.9)、佐賀県(2.1)、長崎県(1.8)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は3週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い状態である。都道府県別では石川県(3.3)、長野県(2.8)、富山県(2.8)、新潟県(2.3)が多い。百日咳の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では福井県(0.09)、栃木県(0.06)、千葉県(0.04)、島根県(0.04)が多い。風しんの報告数は横ばいであった。都道府県別では東京都5例、愛知県、大阪府から各2例が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別では島根県(1.4)、山口県(1.1)、長野県(1.1)が多い。麻しんの報告数は微増し、27都道府県から215例の報告があった。都道府県別では千葉県32例、東京都28例、埼玉県27例、神奈川県21例、北海道18例、宮城県17例、栃木県、大阪府から各8例、茨城県、山梨県、広島県から各6例、香川県5例、和歌山県、岡山県、福岡県から各4例、群馬県、長野県、兵庫県から各3例が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では宮崎県(1.3)、新潟県(1.2)、高知県(1.2)が多い。

基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い状態である。都道府県別では福島県(2.3)、沖縄県(1.9)、群馬県(1.5)が多い。成人麻しんの報告数は17都道府県から82例と第18週以降増加が続いている。都道府県別では、東京都23例、宮城県15例、神奈川県10例、埼玉県8例、北海道4例、岩手県、山形県、和歌山県から各3例、千葉県、愛知県、兵庫県、福岡県から各2例、茨城県、新潟県、大阪府、岡山県、熊本県から各1例の報告があった。




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