国立感染症研究所 感染症情報センター
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IDWR 感染症発生動向調査週報

第40号ダイジェスト
(2006年10月2〜8日)

 発生動向総覧


*2006年4月からの報告システムの変更に伴い、疾病の並び順を一部変更しました。

全数報告の感染症


〈第40週コメント〉10月12日集計分

注意:これはこれは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。宜しく御理解下さい。

*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症: 報告なし
2類感染症: 細菌性赤痢22例 (感染地域:宮城県1例、茨城県1例、石川県1例、鳥取県1例、中国7例、インドネシア4例、韓国1例、タイ1例、インド1例、モンゴル1例、エジプト1例、モロッコ1例、グルジア1例)
腸チフス5例(感染地域:岐阜県2例、千葉県1例、インド1例、インド/ネパール1例)
パラチフス1例(感染地域:中国)
3類感染症: 腸管出血性大腸菌感染症60例(うち有症者46例、HUS 2例)
感染地域:国内56例、国内(都道府県不明)3例、中国(香港)1例
国内の多い感染地:富山県(8例)、北海道(5例)、東京都(5例)
年齢群:10歳未満(28例)、10代(7例)、20代(9例)、30代(5例)、40代(5例)、50代(1例)、60代(2例)、70歳以上(3例)
血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(24例)、O157 VT2(18例)、O26 VT1(6例)、O111 VT1(6例)、O157 VT1(1例)、その他/不明(5例)
4類感染症: A型肝炎3例(感染地域:すべて大阪府)
デング熱2例(感染地域:フィリピン1例、インド1例)
日本紅斑熱1例(感染地域:島根県)
日本脳炎1例(感染地域:熊本県.3歳)
マラリア1例(卵形_感染地域:パキスタン)
ライム病1例(感染地域:神奈川県)
レジオネラ症 9例(すべて肺炎型)
年齢群:40代2例、50代3例、60代1例、70代1例、80代1例、90代1例
感染地域:北海道1例、宮城県1例、栃木県1例、新潟県1例(温泉)、富山県1例、愛知県1例、大阪府1例、鳥取県1例、国内(都道府県不明)1例

5類感染症:
アメーバ赤痢 3例(腸管アメーバ症2例、腸管外アメーバ症1例)
感染地域:国内2例、インドネシア1例
感染経路:経口2例、性的接触1例(異性間)
ウイルス性肝炎2例 B型1例〔感染経路:性的接触(異性間)〕
EBウイルス1例
急性脳炎1例(病原体不明.60代)
クリプトスポリジウム症1例(感染地域:国内)
クロイツフェルト・ヤコブ病1例(孤発性プリオン病古典型)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(血清型:A群、70代、死亡)
後天性免疫不全症候群 8例(無症候4例、AIDS 3例、その他1例)
感染地域:国内7例、タイ/米国1例
感染経路:性的接触7例(異性間3例、同性間4例)、不明1例
ジアルジア症1例(感染地域:インド/ネパール)
髄膜炎菌性髄膜炎1例(感染地域:国内)
梅毒2例(早期顕症II期1例、無症候1例)
破傷風2例(ともに60代)

(補)他に報告遅れとして、コレラ1例(疑似症)、E型肝炎2例〔感染地域:北海道1例(感染源:豚レバー)、中国1例(感染源:不明)〕、オウム病1例(感染地域:香川県、感染源:セキセイインコ)、急性脳炎2例(ともに病原体不明.0歳、70代)などの報告があった。


定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)

全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ:定点当たり報告数は微減した。都道府県別では沖縄県(0.21)、岡山県(0.10)、福井県(0.03)、宮崎県(0.03)が多い。

小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症は109例の報告があり、報告数は減少した。年齢別では、1歳以下の報告数が全体の82%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第37週 以降、減少が続いているが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い状態が続いている。都道府県別では三重県(1.56)、大分県(1.08)、宮崎県(0.84)、鳥取県(0.79)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は横ばいであったが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い状態が続いている。都道府県別では鳥取県(2.7)、福島県(2.2)、北海道(2.1)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では鳥取県(10.1)、福井県(8.0)、熊本県(7.2)が多い。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では青森県(1.3)、福井県(1.1)、徳島県(1.1)が多い。手足口病の定点当たり報告数は第37週以降、減少が続いている。都道府県別では新潟県(2.9)、石川県(2.8)、沖縄県(2.3)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は増加し、過 去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では宮崎県(0.65)、静岡県(0.47)、徳島県(0.47)が多い。百日咳の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では千葉県(0.10)、山形県(0.07)、広島県(0.06)、福岡県(0.06)が多い。風しんの定点当たり報告数は減少した。都道府県別では岡山県(0.04)、栃木県(0.02)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第28週以降、減少が続いている。都道府県別では宮城県(0.90)、福島県(0.31)、北海道(0.29)が多い。麻しんの定点当たり報告数は微増した。都道府県別では沖縄県(0.06)、滋賀県(0.03)、香川県(0.03)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では新潟県(3.6)、長野県(2.5)、宮崎県(2.3)が多い。

基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では大阪府(1.8)、佐賀県(1.8)、静岡県(1.8)が多い。成人麻しんは宮城県から1例の報告があった。



 注目すべき感染症

今週は該当記事はありません。


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