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第28号ダイジェスト

2004年第28週(7月5日〜7月11日)

・発生動向総覧
・注目すべき感染症

 をPDF版よりピックアップして掲載しています。

???S 発生動向総覧


全数報告の感染症


*「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の改正(11月5日施行)により、対象疾患、分類が一部変更されました(第43号「速報」参照)。


〈第28週コメント〉7月15日集計分

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が、集計の期日以降に届くこともあります。それらについては、発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。宜しく御理解下さい。

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

コレラ 1例(推定感染地域:フィリピン)
細菌性赤痢 7例(推定感染地域:マレーシア2例、インドネシア1例、ベトナム 1例、中国(香港)1例、タンザニア1例.疑似症1例)
腸チフス 1例(推定感染地域:パキスタン)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症 140例(うち有症者105例)
報告の多い都道府県:石川県(38例)、熊本県(10例)、大阪府(9例)、愛知 県(8例)
血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(41例)、O111 VT1・VT2(33例)、O157 VT2(23例)、O26 VT1(23例)、O157 VT1(3例)、O128 VT1・VT2(1例)、O111 VT1(1例)、その他(15例)
年齢:10歳未満(44例)、10代(49例)、20代(16例)、30代(9例)、40代(5 例)、50代(7例)、60代(7例)、70歳以上(3例)

4類感染症:

オウム病 2例(推定感染源:ハト/文鳥1例、オウム1例)
デング熱 1例(推定感染地域:タイ)
日本紅斑熱 2例(ともに島根県)
マラリア 2例(ともに熱帯熱_推定感染地域:コートジボワール、パプアニュ ーギニア)
レジオネラ症 3例(51歳、54歳、79歳)
E型肝炎 3例〔推定感染地域:国内2例(うち1例の推定感染源は猪肉)、東 南アジア/インド1例〕

5類感染症:

アメーバ赤痢 13例(推定感染地域:国内10例、インドネシア1例、不明2例. 推定感染経路:経口感染3例、性的接触2例、不明8例)
ウイルス性肝炎 1例(B型_推定感染経路:不明)

後天性免疫不全症候群 10例

(無症候3例、AIDS 4例、その他3例)
推定感染経路:性的接触4例(異性間1例、同性間3例)、不明6例
推定感染地域:国内5例、不明5例

ジアルジア症 2例(推定感染地域:国内1例、インド1例)
梅毒 4例(いずれも早期顕症II期)
破傷風 2例(61歳、62歳)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症 1例(VanC 1 例_菌検出検体:腹水)
(補)他に、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例の報告があったが、削除予定。また、報 告遅れとして急性脳炎1例(1歳.病原体:ムンプスウイルス)があった。

定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)


全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

過去5年間との比 CPEGグラフ

小児科定点報告疾患:咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第11週から増加傾向が認められているが、第26週には過去10年間の全ての週と比較して最高値を示し、その後も最高値を更新し続けている。都道府県別では埼玉県(2.3)、福井県(2.0)、新潟県(1.8)、富山県(1.8)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第23週から減少が続いている。しかし、第19週を除き、第7週から継続して過去10年間の当該週と比較して最高値を示している。都道府県別では、愛媛県(2.6)、鳥取県(2.4)、大分県(2.4)が多い。手足口病の定点当たり報告数は 第20週から緩やかに増加しており、第28週も増加した。都道府県別では兵庫県(3.6)、福岡県 (2.9)が多い。風しんの定点当たり報告数は前週と同値で、都道府県別では27都府県から報告 があったが、いずれも0.2を超えなかった。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第20週から増加が続いた後、第26週は微減したが、第27週からは再び増加が続いている。都道府県別で は山口県(6.7)、香川県(6.7)が多い。RSウイルス感染症はゼロ報告を含めて34都道府県から報告がなされ、報告数は合計40例であった。

基幹定点報告疾患:無菌性髄膜炎の定点当たり報告数は増加し、都道府県別では滋賀県(1.0)、奈良県(0.8)、三重県(0.7)が多い。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は第20週 から増加傾向が認められ、第25週をピークに第26週は減少、第27週は増加し、28週は微減した。第22週からは過去5年間の当該週と比較して最高値を示している。都道府県別では福島県(1.0)、長野県(1.0)が多い。

過去1年間の動き(グラフ)



???S 注目すべき感染症

◆ 腸管出血性大腸菌感染症

 腸管出血性大腸菌感染症は感染症法に基づく3類感染症として、無症状病原体保有者を含む症例の報告が診断した医師に義務づけられている。無症状病原体保有者は、食品産業従 事者の検便によって偶然発見される場合もあるが、探知された患者と食事を共にした者や接 触者の調査などによって発見される場合が多い。
図1. 腸管出血性大腸菌感染症(無症状病原体保有者含む)の発生状況

 2004年第28週までの累積報告数は1,128例で、過去3年間(2001年1,619例、2002年1,254例、 2003年843例)と比較すると2003年より多い程度である(図1)。第28週までの累積報告数を都道府県別にみると、東京都(98例)、岡山県(95例)、大阪府(90例)、石川県(64例)、兵庫県(58 例)が多い。第28週に限ると、石川県(38例)、熊本県(10例)、大阪府(9例)が多く、石川県か らの報告の殆どは、高校の修学旅行に関連したO111 VT1・VT2の報告であった。
 第28週までの累積報告数を血清型・毒素型別にみると、O157 VT1・VT2 368例(33%)、 O157 VT2 268例(24%)、O26 VT1 218例(19%)の順に多い。また、年齢群別(0〜69歳までは 10歳毎、および70歳以上)にみると、10歳未満418例、10代201例、20代153例、30代90例、40代 68例、50代88例、60代54例、70歳以上56例となっている。
 本年はこれまで報告時点での死亡例はないが、溶血性尿毒症症候群(HUS)が19例報告されている。それらの血清型・毒素型はO157 VT2(10例)、O157 VT1・VT2(6例)、O26 VT1・ VT2(1例)、その他2例であった。年齢群別にみると、10歳以下が14例(うち、5歳以下は8例)、 60代1例、70歳以上4例であった。性別では男性5例、女性14例と女性に多かった。死亡例や HUSの合併については、届け出時点以降での発生が十分反映されていない可能性があり、こ のような発生があった場合には修正報告していただくことをお願いしている。
 例年報告のピークは夏季にあるので、一層の注意が必要である。また、本年においても、保育所などに関連した集団発生の報告が散見されている。保育所などでの人から人への感染を 防ぐために、普段からの手洗い(特にオムツ交換時)、園児への排便後・食事前の手洗い指導を徹底することが重要である。さらに、夏季には簡易プールなどの衛生管理にも注意を払う必要がある。

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