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第23号ダイジェスト
2004年第23週(5月31日〜6月6日)

・発生動向総覧
・注目すべき感染症

 をPDF版よりピックアップして掲載しています。

???S 発生動向総覧


全数報告の感染症
*「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の改正(11月5日施行)により、対象疾患、分類が一部変更されました(第43号「速報」参照)。


〈第23週コメント〉6月10日集計分

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が、集計の期日以降に届くこともあります。それらについては、発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。宜しく御理解下さい。

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

細菌性赤痢 4例(推定感染地域:国内1例、インド1例、タイ1例、インドネシア1例)
腸チフス 1例〔推定感染地域:その他(アジア)〕
パラチフス 1例(推定感染地域:インド/ネパール)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症 80例(うち有症者57例)
報告の多い都道府県:岡山県(17例)、東京都(6例)、長崎県(6例)、沖縄県(6例) 血清型・毒素型:O157 VT2(24例)、O157 VT1・VT2(23例)、O26 VT1(22例)、O26 VT1・VT2(3例)、 O157 VT1(1例)、O26 VT2(1例)、その他(6例)
年齢:10歳未満(30例)、10代(9例)、20代(16例)、30代(6例)、40代(4例)、50代(8例)、60代(4例)、70 歳以上(3例)

4類感染症:

オウム病 1例(推定感染源:ハト)
つつが虫病 7例〔秋田県(2)、福島県(1)、新潟県(2)、岐阜県(1)、京都府*(1)〕*死亡
日本紅斑熱 1例(徳島県)
マラリア 1例〔三日熱(推定感染地域:インドネシア)〕
レジオネラ症 6例〔50代(2例)、60代(3例)、70代(1例)〕
A型肝炎 3例(推定感染地域:国内2例、フィリピン1例)

5類感染症:

アメーバ赤痢 8例(推定感染地域:国内6例、不明2例.推定感染経路:性的接触4例、不明4例)
ウイルス性肝炎 3例(いずれもB型_推定感染経路:性的接触2例、不明1例)
クロイツフェルト・ヤコブ病 1例(孤発性)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症 1例(56歳)

後天性免疫不全症候群 9例

例(無症候7例、AIDS 1例、その他1例)
推定感染経路:性的接触9例(異性間3例、同性間6例)
推定感染地域:国内7例、タイ1例、不明1例

ジアルジア症 1例(推定感染地域:国内)
梅毒 13例(早期顕症I期1例、早期顕症II期3例、無症候9例)
破傷風 2例(44歳、73歳)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症 2例〔遺伝子型:ともにVanB_菌検出検体:ともに便)
(補)他に、腸管出血性大腸菌感染症1例の報告があったが、削除予定。 。

定点把握の対象となる4類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

過去5年間との比 CPEGグラフ

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。

小児科定点報告疾患:咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第11週から増加傾向が認められ、第23週も増加した。本年に入ってからも相変わらず、過去10年間の当該週と比較して最高値を示 している。都道府県別では福井県(2.2)、富山県(1.8)、宮崎県(1.8)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第16週から増加傾向が認められていたが、第23週は減少し た。過去5年間の同時期と比較してかなり多く、都道府県別では山形県(5.1)、新潟県(4.1)、鳥取県(4.0)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第12週から減少傾向が続いており、第 23週も減少した。都道府県別では福井県(9.5)、大分県(9.1)が多い。手足口病の定点当たり 報告数は第20週から緩やかに増加しており、都道府県別では沖縄県(1.8)、兵庫県(1.5)が多い。風しんの定点当たり報告数は減少したが、都道府県別では栃木県(0.3)、群馬県(0.3)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第20週から増加傾向が認められ、第23週も増加し、 都道府県別では福井県(6.1)、愛媛県(6.1)が多い。麻しんの定点当たり報告数は前週と同値 で、過去10年間と比較して少なく推移している。都道府県別では徳島県(0.3)、栃木県(0.2)が多い。RSウイルス感染症はゼロ報告を含めて29都道府県から報告がなされ、報告数は合計21例であった。

眼科定点報告疾患:流行性角結膜炎の定点当たり報告数は第3週からほぼ横ばいで推移して いるが、都道府県別では沖縄県(10.0)が非常に多い。

基幹定点報告疾患:無菌性髄膜炎の定点当たり報告数は増加し、都道府県別では栃木県(0.6) が多い。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較し てやや多く、都道府県別では茨城県(1.3)、山形県(1.2)が多い。

過去1年間の動き(グラフ)



???S 注目すべき感染症

◆ 腸管出血性大腸菌感染症

 腸管出血性大腸菌感染症は感染症法に基づく3類感染症として、無症状病原体保有者を含 む症例の報告が診断した医師に義務づけられている。無症状病原体保有者は、食品産業従 事者の検便によって偶然発見される場合もあるが、探知された患者と食事を共にした者や接 触者の調査などによって発見される場合が多い。過去3年間の報告数は、2001年4,435例、 2002年3,183例、2003年2,636例(暫定)である。
 2004年においては、第15週から緩やかな増加傾向が認められ、第22週の報告数は100例を 超えたが、第23週はやや減少して80例であった*(図1)。有症者は57例で全体の71%であった。 年齢階級別(5歳毎)では、0〜5歳が23例で最も多く、2例(2歳女児、4歳女児)に溶血性尿毒症 症候群(HUS)がみられている。HUSなどの合併症や死亡については、届け出時点以降での発 生が十分反映されていない可能性もあり、そのような発生があった場合には修正報告をお願い しているが、今年に入って死亡例の報告はなく、HUSの報告は11例である。
 第23週までの累積報告数を都道府県別にみると、岡山県(76例)、東京都(60例)、大阪府 (38例)、兵庫県(34例)が多い。第23週に限ると、岡山県(17例)、東京都(6例)、長崎県(6例)、 沖縄県(6例)が多かった(図2)。報告の多くは散発事例であるが、岡山県の症例の多くは、第 22週から発生しているO26 VT1による保育園での集団発生に関連した報告である。

図1.腸管出血性大腸菌感染症(無症状保菌者含む)の週別発生状況
図2.腸管出血性大腸菌感染症(無症状保菌者含む)の都道府県別発生状況

  第23週までの報告例について血清型・毒素型をみると、O157 VT1・VT2が175例と最も多く、 次いでO157 VT2が171例、O26 VT1が113例となっている。
 第23週までの累積報告数は567例(各年同時期:2001年995例、2002年646例、2003年440例) であり、現在のところ、例年に比べて特に多いというわけではないが、例年報告のピークは夏季 にあり、今後さらに増加することが予想されるので、一層の注意が必要である。

*第23週分中の削除予定の1例を除き、コメントしています。また、病原体情報についてはIASRのページも参照して下さい。

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