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第17週ダイジェスト
2004年第17週(4月19日〜25日)

・発生動向総覧
・注目すべき感染症

 をPDF版よりピックアップして掲載しています。

???S 発生動向総覧


全数報告の感染症
*「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の改正(11月5日施行)により、対象疾患、分類が一部変更されました(第43号「速報」参照)。


〈第17週コメント〉4月30日集計分

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が、集計の期日以降に届くこともあります。それらについては、発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。宜しく御理解下さい。

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

細菌性赤痢 5例(推定感染地域:国内1例、インド3例、マダガスカル1例)
腸チフス 1例(推定感染地域:インド/バングラデシュ)
パラチフス 6例(推定感染地域:インド3例、ネパール2例、インド/バングラデシュ1例)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症 25例(うち有症者21例)
報告の多い都道府県:東京都(3例)、愛知県(3例)
血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(12例)、O157 VT2(6例)、O157 VT1(1例)、O111 VT1・VT2(1例)、 O121 VT2(1例)、O26 VT1(1例)、その他(3例)
年齢:10歳未満(15例)、10代(4例)、20代(1例)、30代(2例)、40代(1例)、60代(1例)、70歳以上(1例))

4類感染症:

オウム病 4例(推定感染源:インコ2例、不明2例)
レジオネラ症 4例(60歳、69歳、71歳、78歳)
A型肝炎 3例(推定感染地域:国内2例、中国1例)

5類感染症:

アメーバ赤痢 4例(推定感染地域:国内3例、サイパン/マレーシア/アフリカ1例)

ウイルス性肝炎 2例

B型1例(推定感染経路:不明)
C型1例(推定感染経路:刺青)

クロイツフェルト・ヤコブ病 2例(ともに孤発性)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症 1例〔68歳(死亡)〕

後天性免疫不全症候群 13例

(無症候8例、AIDS 4例、その他1例)
推定感染経路:性的接触11例(異性間1例、同性間10例)、不明2例
推定感染地域:国内11例、タイ1例、ウガンダ1例例

ジアルジア症 2例(推定感染地域:ともに国内)
髄膜炎菌性髄膜炎 1例(16歳)
梅毒 5例(早期顕症I期3例、晩期顕症1例、無症候1例)
破傷風 1例(43歳)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症 1例(遺伝子型:VanB 1例_菌検出検体:尿)
急性脳炎 1例〔病原体不明(6歳)〕
(補)他に、ウイルス性肝炎2例、梅毒2例、破傷風1例の報告があったが、削除予定。また、報告遅れとしてE型肝炎1 例(推定感染地域:中国)、先天性風しん症候群1例(岡山県)、急性脳炎2例〔単純ヘルペスウイルス1例(75歳)、 病原体不明1例(30歳)〕の報告があった。

定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

過去5年間との比 CPEGグラフ

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。

小児科定点報告疾患:咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多く、都道府県別では宮崎県(1.8)、福井県(1.1)、岐阜県(1.1)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は、第11週に過去10年間で最高の値となった後減少したが、第16週に再び増加し、第17週も増加した。過去5年間の同時期と比較してかなり多く、都道府県別では新潟県(5.0)、山形県(4.9)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は微減したが、過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では福井県(25.3)、富山県(15.8)、鳥取県(15.7)が多い。手足口病の定点当たり報告数は微増し、都道府県別では沖縄県(0.8)、石川県(0.4)、兵庫県(0.4)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は前週と同値で、都道府県別では千葉県(1.2)、新潟県(1.1)が多い。風しんの定点当たり報告数は微減したが、過去5年間の同時期と比較してかなり多く、都道府県別では群馬県(0.4)、大分県(0.3)、栃木県(0.2)、福岡県(0.2)、鹿児島県(0.2)が多い(「注目すべき感染症」参照)。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は微増し、都道府県別では熊本県(0.9)、石川県(0.5)、和歌山県(0.5)、広島県(0.5)が多い。RSウイルス感染症の報告数は、35都道府県から合計42例であった。

基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加して0.15で、過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では山梨県(0.8)、宮城県(0.6)が多い。

過去1年間の動き(グラフ)


???S 注目すべき感染症

◆ 風しんおよび先天性風しん症候群

<風しんの発生状況>
 風しんの発生動向は、感染症法に基づき、全国約3,000カ所の小児科定点医療機関から毎 週報告される患者数により把握されている。ここ数年、その報告数はかなり少なく推移してい たが、本年は増加が認められており、第17週までの累積報告数は1,899人〔昨年1年間の累積 報告数は2,795人(暫定値)〕である。第17週までの累積定点当たり報告数を都道府県別にみ ると、群馬県、大分県、鹿児島県(*)で特に多く、栃木県、埼玉県、宮城県、福岡県などでも 多い。

表:先天性風しん症候群の報告

 第17週の全国からの報告数は203人(第16週232人)、定点当たり報告数は0.07(第16週0.08)で あり、都道府県別では、群馬県(0.4)、大分県(0.3)、栃木県(0.2)、福岡県(0.2)、鹿児島県(0.2) が多かった。

<先天性風しん症候群の発生状況>
 妊婦が妊娠初期に感染すると、出生児に先天性風しん症候群(CRS)を起こすことがある。 CRSは感音性難聴、白内障または緑内障、心疾患が3主徴で、妊娠16週までの感染で起こるこ とが殆どである。CRSは1999年4月の感染症法の施行により、全数把握疾患となった。1999年 には報告がなく、2000〜2003年は各1例であったが、本年は既に3例が報告されている(表)。 風しんの罹患歴や予防接種歴がない妊娠可能年齢の女性は、妊娠する以前に予防接種を 受けておくことが必要である。予防接種は、風しんとCRSを予防するための最大の手段と言え る。しかし稀には、罹患歴や予防接種歴がある場合でも十分な免疫が獲得されていないことも あるので、場合により抗体検査を行なうことも必要と考える。
 また、妊婦の風しん罹患を防止するためには、社会での風しんの流行そのものを抑制するこ とが必要である。そのためには、定期接種の対象者だけでなく、2003年9月まで行なわれた経 過措置の対象年齢層(1979年4月2日〜1987年10月1日生まれの者)を中心に、男女ともに免疫の ない人々は任意接種を受けることが強く望まれる。
 さらに、小児科ばかりでなく、特に妊婦や妊娠年齢の女性の管理を行う産科や婦人科、内科 においては、地域での風しんの流行状況などに細心の注意を払う必要がある。

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