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第6週ダイジェスト
2004年第6週(2月2日〜2月8日)

・発生動向総覧
・注目すべき感染症

 をPDF版よりピックアップして掲載しています。

 発生動向総覧


全数報告の感染症
*「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の改正(11月5日施行)により、対象疾患、分類が一部変更されました(第43号「速報」参照)。


〈第6週コメント〉2月12日集計分

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が、集計の期日以降に届くこともあります。それらについては、発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。宜しく御理解下さい。

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

コレラ1 例(O139 、推定感染地域:タイ)
細菌性赤痢5 例(推定感染地域:インドネシア3 例、台湾1 例、インド1 例)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症7 例(うち有症者5 例)
血清型・毒素型:O157 VT1 ・VT2 (2 例)、O128 VT1 ・VT2 (1 例)、その他(4 例)
年齢:10 歳未満(4 例)、10 代(1 例)、2 0 代(1 例)、30 代(1 例)

4類感染症:

つつが虫病3 例(東京都1 例、鹿児島県2 例)
レジオネラ症1 例(69 歳)
マラリア2 例三日熱1 例(推定感染地域:パプアニューギニア)
不明1 例(推定感染地域:インド)
E 型肝炎1 例〔推定感染地域:インド.A 型肝炎(第5 週診断)と重複感染〕
A 型肝炎3 例(推定感染地域:いずれも国内)

5類感染症:

アメーバ赤痢4 例(推定感染地域:国内2 例、フィリピン1 例、不明1 例)

ウイルス性肝炎 2 例

B 型1 例(推定感染経路:不明)
C 型1 例(推定感染経路:不明)

クロイツフェルト・ヤコブ病2 例(ともに孤発例、うち1 例の推定感染経路はヒト乾燥硬膜)

後天性免疫不全症候群 11例

(すべて無症候)
推定感染経路:性的接触9 例(異性間2 例、同性間7 例)、不明2 例
推定感染地域:国内9 例、不明2 例

梅毒5 例(早期顕症I 期1 例、早期顕症II 期1 例、晩期顕症1 例、無症候2 例)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症1 例(遺伝子型:VanC 、菌検出検体:血液)
(補)他に、腸管出血性大腸菌感染症1 例、後天性免疫不全症候群1 例、梅毒(無症候)2 例の報告
があったが、削除予定。また、報告遅れとして、急性脳炎1 例(病原体不明.49 歳)があった。

定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。

インフルエンザ定点報告疾患:インフルエンザの定点当たり報告数は減少したが、過去5 年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多く、都道府県別では長野県(47.8 )、岡山県(47.4 )、秋田県(47.2 )が多い(「注目すべき感染症」参照)。

小児科定点報告疾患:咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2003 年第43 週から増加傾向が認められた後、2004 年第2 週から減少していたが、第6 週は再び増加した。過去5 年間の同時期と比較してかなり多く、都道府県別では宮崎県(0.7 )、岐阜県(0.6 )、山口県(0.6 )が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第34 週から増加傾向が認められた後、第51 週をピークに減少したが、第3 週から再び増加し、第6週も増加した。過去5 年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では鳥取県(5.0 )、富山県(4.5 )、山形県(4.2 )が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第43 週から増加し続けた後、第51 週をピークに減少傾向が認められており、第6週も減少した。都道府県別では山口県(17.5 )、愛媛県(16.1 )、大分県(15.8 )が多い。水痘の定点当たり報告数は第41 週から増加し、第2 週に過去10 年間で最高の値となった後、第3 週は著減したが、第4 週は増加、第5週は減少し、第6 週は増加した。都道府県別では熊本県(4.1 )、宮崎県(4.1 )が多い。風しんの定点当たり報告数は前週と同値で、都道府県別では群馬県(0.2 )、大分県(0.2 )が多い。RSウイルス感染症の報告数は、41 都道府県から合計217 例であった。

基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少して0.18 であるが、過去4 年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では宮城県(0.8 )、岡山県(0.8 )が多い。

過去1年間の動き(グラフ)



 注目すべき感染症

◆インフルエンザ

 第6 週のインフルエンザの定点当たり報告数は30.7 であり(図1)、ほとんどの都道府県で第5〜6 週にかけて流行のピークを迎えていると考えられる(図2 )。定点当たり報告数が30 を超えているのは、全国27 の都道府県である。
 また、インフルエンザ様疾患に伴う休校・学年閉鎖・学級閉鎖の合計は2,345 件に上り、昨年同時期(2,540 )の数に近づいてきた。
 これまでに確認されたインフルエンザウイルスは、ほとんどがAH3 型である(「病原体情報」参照)。
 「インフルエンザ情報早期把握システム(New )」「インフルエンザのQ&A 」「国内患者発生動向
調査」「ウイルス分離状況」「抗体保有状況」「学校欠席者数」などインフルエンザの総合的な情
報については、以下のURL を参照されたい。

 ○http://idsc.nih.go.jp/others/topics/newpage2.html

インフルエンザの流行レベルマップについては、以下のURL を参照されたい。
 ○http://idsc.nih.go.jp/others/topics/inf-keiho/index.html

図1 .過去5シーズンのインフルエンザシーズン毎のトレンドグラフ

図2. 都道府県別インフルエンザ流行状況

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