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第47週ダイジェスト
(2003年11月17日〜23日)
  • 発生動向総覧
  • 注目すべき感染症
 をPDF版よりピックアップして掲載しています。

 発生動向総覧

〈第47週コメント〉11月28日集計分
全数報告の感染症
*「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の改正(11月5日施行)により、対象疾患、分類が一部変更されました(第43号「速報」参照)。本週の集計は、11月3、4日届け出分も含め新分類にて表記しました。

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が、集計の期日以降に届くこともあります。それらについては、発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。宜しく御理解下さい。

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

細菌性赤痢 4例(推定感染地域:中国1例、インドネシア1例、インド1例、タイ1 例)
腸チフス1例(推定感染地域:インドネシア)
パラチフス5例(推定感染地域:バングラデシュ1例、インド1例、タイ1例、ネパール1例、不明1例)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症 75例(うち有症者50例)
報告の多い都道府県:京都府29 例、兵庫県8例、鹿児島県7例
血清型・毒素型:O157 VT1 ・VT2(39 例)、O157 VT1(13例)、O26 VT2(9例)、
その他(14例)
年齢:10歳未満(38例)、10代(6例)、20代(11例)、30代(8 例)、40代(6例)、50代(3例)、60 代(3例)、70歳以上(0例)

4類感染症:

つつが虫病10例〔秋田県、福島県、富山県、長野県(2)、岐阜県、広島県(2)、大分県、鹿児島県〕
マラリア1例(三日熱.推定感染地域:インド)
レジオネラ症2例(67歳、69歳)

5類感染症:

アメーバ赤痢 5例(推定感染地域:国内3 例、不明2 例)
ウイルス性肝炎3 例  B型3例(推定感染経路:性的接触1 例、不明2 例)
クロイツフェルト・ヤコブ病 1 例(孤発性,54歳)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症 1 例(51歳)
後天性免疫不全症候群 13 例(AIDS 2例、無症候11例)
推定感染経路:性的接触12 例(異性間4 例、同性間8例)、不明1 例
推定感染地域:国内9例、国内/タイ1例、中国1例、中国/カナダ1 例、その他1 例
ジアルジア症 2例(推定感染地域:国内1例、不明1例)
髄膜炎菌性髄膜炎1例(A群,推定感染地域:国内,0 歳)
梅毒 2例(早期顕症II 期1例、無症候1 例)
急性脳炎 1 例(病原体不明,33 歳)

定点把握の対象となる4類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。

小児科定点報告疾患:インフルエンザの定点当たり報告数は未だ低値ではあるが、徐々に増加が認められている(「注目すべき感染症」参照)。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第29週をピークとし、その後は週により緩急はあるものの減少し続けていたが、第43週から再び増加傾向が認められており、第47 週も増加した。過去10年間の当該週と比較して第16週から最高の値であり、第47週までの累積定点当たり報告数の過去10年間の平均と比較して2.8倍を示す大きな流行となっている。都道府県別では、山形県(1.3 )、鳥取県(1.0)が多い(「注目すべき感染症」参照)。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第34 週から増加傾向が認められており、第47 週も増加した。都道府県別では鳥取県(4.5 )、山形県(3.3)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第43 週から著明な増加傾向が認められており、第47週も増加した。都道府県別では宮崎県(29.4 )、福井県(21.9 )、石川県(17.2)が多い。水痘の定点当たり報告数は第41週から増加傾向が認められており、第47週も増加した。過去10年間の当該週と比較して第43週から最高の値となっている。都道府県別では新潟県(3.9)、宮崎県(3.9 )、山形県(3.7)が多い。RS ウイルス感染症の報告数は、25都道府県(0 例の報告も含む)から合計82 例であった。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加して0.29で、都道府県別では山形県(2.1 )、秋田県(1.0)、大阪府(0.9)が多い。



 注目すべき感染症

◆インフルエンザ

 インフルエンザの定点当たり報告数は第47 週は0.03 であり、まだ本格的な流行が始まっているわけではない。しかしながら、29 都道府県から全国合計で143 例の報告があった。これまでにインフルエンザウイルスは例年同時期より多く分離報告があり、AH3 型が多く報告されているが、B型の報告もある。

図.過去10 年間のインフルエンザシーズン毎のトレンドグラフ

 インフルエンザ様疾患に伴う学級閉鎖の報告では、第47 週に群馬県から1 件の学級閉鎖が報告されている。
 「インフルエンザのQ &A 」「国内患者発生動向調査」「ウイルス分離状況」「抗体保有状況」な
どインフルエンザの総合的な情報については、以下のURL を参照されたい。
 ○http://idsc.nih.go.jp/others/topics/newpage2.html

◆インフルエンザ流行情報
 インフルエンザ流行情報は以下のURL に掲載されている。
 ○http://idsc.nih.go.jp/others/topics/inf-keiho/index.html
  第47 週は警報・注意報レベルを超えている保健所はない。

◆咽頭結膜熱

 咽頭結膜熱は例年夏季に流行を迎える。今年は例年よりも報告数が多く推移してきているが、第29 週をピークとし、第42 週までは順調に低下した。しかしその後、第43 週から再び増加傾向を示しており、多くの都道府県で増加がみられる。年齢別では3 〜5 歳の報告数が多い。

図.咽頭結膜熱の年別週別発生状況

 

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