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第34週ダイジェスト
(2003年8月18日〜8月24日)
  • 発生動向総覧
  • 注目すべき感染症
 をPDF版よりピックアップして掲載しています。


 発生動向総覧

〈第34週コメント〉8月28日集計分
全数報告の感染症

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

コレラ 1例(推定感染地域:インド/ネパール1例)
細菌性赤痢16例(推定感染地域:国内5例、フィリピン3例、インド3例、ミャンマ
ー2例、タイ1例、タヒチ1例、不明1例)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症 149例(うち有症者88例)
  報告の多い都道府県:熊本県32例、福岡県28例
血清型・毒素型:O157 VT1 ・VT2(41例)、O157 VT2 (25例)、O26 VT1 (20例)、O103VT1(11例)、その他(52例)
  年齢:10歳未満(71例)、10代(25例)、20代(23例)、30代(10例)、40 代(8例)、50代(5例)、60代(3例)、70歳以上(4例)

4類感染症:

アメーバ赤痢 2 例(推定感染地域:ともに国内)
オウム病 1例(推定感染源:インコ)

後天性免疫不全症候群 8例

8例(AIDS 2例、無症候6例)男性/女性:4例/4例
推定感染経路:性的接触6例(異性間4例、同性間2例)、不明2例
推定感染地域:国内5例、タイ2例、不明1例

ジアルジア症 1例(推定感染地域:インド/ネパール)
髄膜炎菌性髄膜炎 1例(推定感染地域:国内)
日本紅斑熱 1例(鹿児島県)
梅毒 1例(早期顕症II 期)
破傷風 2例(28歳、71歳)
マラリア 3例(いずれも三日熱_推定感染地域:タイ2例、インドネシア1 例)
(補)他に細菌性赤痢1 例の報告があったが、削除予定。

定点把握の対象となる4類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ
上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。

小児科定点報告疾患:咽頭結膜熱の定点当たり報告数(0.45)は第29週をピークとし、その後は減 少し続けているが、過去10年間の当該週と比較して第16週以降最高の値となっている。過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)の平均と比較しても未だかなり多く、都道府県別では大分県 (1.7)、長野県(1.5)、滋賀県(1.3)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は 第24週から10 週間連続して減少していたが、今週は増加した。過去10年間の当該週と比較して 第27週以降最高の値で推移しており、過去5年間の同時期の平均と比較してもかなり多い。都道府県別では富山県(1.6)、鳥取県(1.2)が多い。手足口病の定点当たり報告数は第29週をピークとし、その後は減少し続けているが、過去5 年間の同時期の平均と比較してやや多い。都道府県 別では新潟県(5.1)、青森県(4.7)、山口県(4.7)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は増 加し、過去5年間の同時期の平均と比較してやや多く、都道府県別では、北海道(0.9)、宮城県 (0.8)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第29週をピークとし、その後は減少し続けており、都道府県別では愛媛県(4.5)、新潟県(3.7)、宮崎県(3.7)が多い。

基幹定点報告疾患:無菌性髄膜炎の定点当たり報告数は増加して0.14で、都道府県別では鳥取 県(1.2)、福井県(0.7)、大阪府(0.7)が多い。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加し て0.22である。本年は過去3〜4年間の報告数に比し高く推移してきたが、第31週以降は昨年、 一昨年と大差のない値となっている。都道府県別では山形県(1.1)、和歌山県(0.8)、山口県(0.8) が多い。


 注目すべき感染症

◆腸管出血性大腸菌感染症

 2003 年の腸管出血性大腸菌感染症の報告数は、過去4年間と比べて比較的少なく推移してきた(図)。特に第31 〜33 週は通常報告数が多い時期であるが、本年の報告数は100 例に満たず、少なかった。しかしながら、第34 週には149 例と報告数は大幅に増加した。2003 年の第34 週までの累積報告数は1,483 例(昨年の同時期は2,253 例)であり、昨年よりは少ない。

図.腸管出血性大腸菌感染症の週別報告数(1999年4月〜現在まで)

 第34 週の報告149例のうち(昨年の同時期は137例)、性別では男性75例、女性74例であった。有症者数は88 例であり、報告者全体の59%であった。都道府県別では多い順に熊本県32例、福 岡県28例、大阪府および兵庫県各7 例などであった。5歳毎(0歳、1 〜4 歳、70 歳以上は別扱い)の年齢階級別にみると、1〜4歳48 例、5〜9 歳22 例、15〜19歳14 例と1〜4歳までの報告数が多く、保育園などの施設での集団発生も報告されている。
 血清型についてはO157が81 例、O26 が25 例、O103 が11例であり、O157の報告が多くを占めたが、熊本県を中心にO103 の報告もあった。血清型とベロ毒素型の組み合わせでは多い順に、O157 VT1 ・VT2 41 例、O157 VT2 25 例、O26 VT1 20例、などとなっている。
 今年に入って死亡例(届け出時点)は2例が報告されている。第34 週には、溶血性尿毒素症候群(HUS)の事例が3例報告されている(1歳男児、3歳男児、11歳女児)。

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