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第22週ダイジェスト
(5月26日〜6月1日)
  • 発生動向総覧
  • 注目すべき感染症
 をPDF版よりピックアップして掲載しています。


 発生動向総覧

〈第22週コメント〉6月5日集計分
全数報告の感染症

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

細菌性赤痢5 例(推定感染地域:国内2 例、インド1 例、インドネシア1 例、ガーナ1 例)、腸チフス1 例(推定感染地域:インド)、パラチフス1 例(推定感染地域:インド)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症54 例(うち有症者25 例):東京都(老人福祉施設)で集団発生

4類感染症:

アメーバ赤痢5例(推定感染地域:国内2例、インドネシア1例、不明2例)、クロイツフェルト・ヤコブ病2例(ともに孤発性)、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、ジアルジア症4例(推定感染地域:国内1例、ラオス1例、カンボジア1例、不明1例)、髄膜炎菌性髄膜炎1例(22歳、血清型:Y型、推定感染地域:国内)、ツツガムシ病12例(秋田県から5例)、破傷風1例(66歳)、バンコマイシン耐性腸球菌感染症6例(いずれも無症状、菌検出検体:いずれも便、遺伝子型:VanA 5例、VanB 1例)、レジオネラ症1例

急性ウイルス性肝炎4例

A型1例(推定感染地域:国内)
B型2例(推定感染経路:性的接触1例、不明1例)
C型1例(推定感染経路:不明)

後天性免疫不全症候群11例

(無症候9例、その他2例)
推定感染経路:性的接触10例(異性間1 例、同性間8 例、異性間/同性間1例)、不明1例
推定感染地域:国内10例、不明1例

梅毒3例(早期顕症1例、無症候性2例)
(補)他に、ライム病1例の報告があったが報告基準を満たさず削除予定

定点把握の対象となる4類感染症(週報対象のもの)
 咽頭結膜熱の定点当たり報告数は微増し、過去5年間の同時期と比較してかなり多く、過去10年間と比較して本年16週以降最高の値で推移している。都道府県別では大分県(2.3)、福井県(1.1)、福岡県(0.9)が多い。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は微減し0.22 で、依然として過去4年間の同時期の平均と比較して約2倍となっている。都道府県別では青森県(1.3)、岡山県(1.0)、宮城県(0.8 )、京都府(0.8)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は減少し、都道府県別では依然として富山県(4.6)、山形県(3.4)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加し、都道府県別では新潟県(4.5)、長野県(3.7)、宮崎県(3.5)が多い。手足口病の定点当たり報告数は増加し、都道府県別では山口県(4.5)、宮崎県(3.8)、広島県(3.1)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は微増し、都道府県別では北海道(1.0)、群馬県(0.9)が多い。百日咳の定点当たり報告数は微増し、都道府県別では栃木県(0.5)、徳島県(0.1)が多い。風疹の定点当たり報告数は微増し、岡山県(0.6)、山口県(0.2)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は増加し、都道府県別では鳥取県(3.1)、山口県(2.9)、福井県(2.8 )が多い。麻疹(成人麻疹を除く)の定点当たり報告数は微減し、都道府県別では依然として福島県(0.8)、栃木県(0.5)、鹿児島県(0.4 )が多い。成人麻疹の定点当たり報告数は前週と同値で0.04で、都道府県別では神奈川県(0.8)、福島県(0.4)が多い。流行性角結膜炎の定点当たり報告数は微減し、都道府県別では香川県(3.7)、茨城県(3.1)が多い。無菌性髄膜炎の定点当たり報告数は微増し0.04 で、都道府県別では和歌山県(0.6)、福井県(0.3)が多い。

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ
上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。


 注目すべき感染症

◆腸管出血性大腸菌感染症

 腸管出血性大腸菌感染症は1996年から届出伝染病に指定され、1999年4月からは感染症法に基づく3類感染症として位置付けられた。最近では、年間3,000〜4,000例が報告されている。例年ピークは夏季にあり、今後、報告数が上昇していく可能性がある。今年に入って第21週では65例、第22週では54例(累積335例)の報告がある。例年に比べて特に多いと言うわけではないが、高齢者の施設、学校などで集団発生が報告されており、配食サービスと関係した事例もある。本格的な流行期を迎える前に感染防止策を徹底する必要がある。

図. 腸管出血性大腸菌感染症の週別報告数

 また、腸管出血性大腸菌の血清型やベロ毒素型の情報は、広域なアウトブレイクや重症化の
要因解明の手がかりとなる可能性があるため、患者の報告にあたっては、これらの情報を下記の
例に沿って入力して頂くことをお願いしたい。

腸管出血性大腸菌:病原体の血清型(O157など)及びベロ毒素型については、病原検査の「型」
の欄に、例のようにすべて全角で、コンマを挟んだりスペースを空けたりせずに、入力してください。

例)O157VT1 +VT2 −

*報告時以降にHUS や死亡が確認された場合には、前者は「症状」に追加記入、後者は「死亡年月日」に記入して、訂正あるいは追加報告をお願いします。


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