インフルエンザウイルス(季節性+AH1pdm)分離・検出状況

   2009年第19週〜2010年第19週


インフルエンザウイルス分離・検出状況 2009年第19週(5/4-10)〜2010年第19週(5/10-16)
(2010年5月13日現在報告数)

図1.週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数の推移、2008年第36週〜2010年第19週
図2.都道府県別インフルエンザウイルス分離・報告状況、2009年第19週〜2010年第19週累積

 新型インフルエンザの発生に対応して、2009年5月以降、地研で鑑別診断のための検査が行われている(速報参照:1.神戸市第1報2.沖縄県3.神戸市第2報)。新型インフルエンザウイルスAH1pdmは2009年第19週に採取された検体から最初に検出され、第20週以降検出数が増加した。第28週以降は毎週500件を超える報告が続いたが、2010年第4週以降減少し、第12週以降は少数の報告となった(図1)。

 AH1pdmは、2009年第19週〜2010年第19週までに全都道府県から31,435件の分離・検出が報告されており、このうち、15,723件はPCRで検出、12,903件はPCRで検出後ウイルス分離培養も陽性(速報参照:広島県)、2,809件はPCRでは検出されず分離培養のみで陽性となっている(速報参照:横浜市)。また、下気道炎(肺炎、気管支炎)2,824件(速報参照:1.東京都2.神戸市)、インフルエンザ脳症320件(速報参照:栃木県)、死亡例99件が報告されている。
 同期間(第19週〜第19週)に季節性インフルエンザウイルスの分離・検出はAH1亜型(Aソ連型)が66件、AH3亜型(A香港型)が948件、B型が203件の報告があり、AH1pdmはこの期間の分離・検出例全体の96%を占めている。

 このうち、2009年第19〜35週(2008/09シーズン末)までにAH1pdmが全都道府県から9,724件、AH1亜型が24都府県から66件、AH3亜型が40都道府県から913件、B型が21都道県から103件報告された(図2下)。
 また、輸入例からの分離・検出の報告が、第19〜24週132件(AH1pdm47件、AH1亜型13件、AH3亜型71件、B型1件)、第25〜29週678件(AH1pdm595件、AH1亜型15件、AH3亜型68件)と大きく増加していたが、第30週以降、多くの自治体が疑い例の全例検査を中止したため、第30〜35週148件(AH1pdm126件、AH1亜型1件、AH3亜型21件)と減少した。

 2009/10シーズンには、AH1pdmが2009年第36週〜2010年第19週に全都道府県から21,710件報告されている。AH3亜型は第36〜44週に10道県から15件報告され(速報参照:札幌市)、その後16週間報告がなかったが、第8〜19週に10県から20件報告されている(速報参照:熊本県)。B型は2009年第29週以降報告がなかったが、山形系統株が第47週に1件(速報参照:堺市)、第2週に滋賀県から1件、第9〜10週に2道県から4件、第13〜14週に2道県から3件、第17週に三重県から2件、ビクトリア系統株が第50週に1件(速報参照:新潟県)、第3〜17週に14都道県から78件(速報参照:神戸市)、系統不明株が第5〜16週に5都県から10件報告されている。AH1亜型は第36週以降報告されていない(図2上)。
 このうち、輸入例からの分離・検出が41件(AH1pdm37件、AH3亜型4件)報告されている。

国立感染症研究所感染症情報センター 病原微生物検出情報事務局

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