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Vol.17 (1996/11[201])

<外国情報>
世界のインフルエンザ最新情報,1996


 1995年10月〜1996年8月までの世界のインフルエンザ流行の程度は中等度から重度であった。日本,カナダ,米国およびヨーロッパの一部ではA(H1N1)型が優勢であった。A(H3N2)型はヨーロッパの大半,中国,米国の一部で優勢であり,B型は世界中で散発的にみられた。このレポートは1996年3〜8月までの要約である。

 アフリカではA(H1N1)型が6月に南アフリカで、A(H3N2)型が6,7月にセネガル,マダガスカル,南アフリカで分離されている。アジアでは3〜8月にA(H3N2)型が優勢であったが,A(H1N1)型,B型も分離されている。韓国では3〜4月にA(H3N2)型とB型が,中国特に南部ではA(H3N2)型が3〜5月に流行した。ヨーロッパでは,3月にいくつかの国でA(H1N1)型,A(H3N2)型およびB型が散発的に分離されている。米国では,インフルエンザは1995年11〜12月に増加し始め,12月半ば〜1月にピークとなり以後減少,広範囲および地域的な流行は,それぞれ3月2日(第9週)および4月20日(第16週)が最後であった。B型が6〜7月に散発的にアラスカ,ハワイ,オハイオ,ペンシルバニア,テキサスで分離された。ワシントンおよびハワイの養護施設では5〜7月にA(H3N2)型による集団発生があった。また,アラスカでは7月に,ウィスコンシンでは8〜9月にA(H3N2)型が散発的に分離された。南米のチリでは5〜6月にA(H1N1)型,A(H3N2)型の流行があり,ブラジルでは4〜6月にA(H3N2)型,5〜6月にA(H1N1)型の流行があった。オセアニアの流行はA(H3N2)型によるもので,A(H1N1)型およびB型は低レベルにとどまった。オーストラリアでは6月にA(H3N2)型が急増,7月にピークとなり,前年同時期よりかなり高いレベルとなった。ニュージーランドでは5月からA(H3N2)型の流行が始まり6〜7月早期にピークとなり,流行規模は1990年以来最大であった。

 世界中から集まった分離ウイルス1,016株のサブタイピングがCDC・WHO共同実験室で行われた。A(H3N2)型が45%,A(H1N1)型34%,B型21%であった。457のA(H3N2)株のうち67%は1995/96シーズンワクチン株のA/Johannesburg/33/94に近く,33%は1996/97シーズンワクチン株のA/武漢/359/95に近い。A/武漢類似ウイルスは1996年1月から増加している。B型の98%は最近のワクチン株B/北京/184/93に類似である。2%はB/Victoria/02/87に近いが,これは1988/89シーズンに流行したもので,それ以来,中国と香港でのみ散発的に分離されていた。A(H1N1)型の91%はA/Texas/36/91およびA/台湾/01/86類似のウイルスである。9%は最近同定された変異株であり,中国と香港でのみ分離されている。

(CDC,MMWR,45,No.38,816,1996)






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