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Vol.17 (1996/11[201])

<国内情報>
エコーウイルス同定用血清の作製と配布


 エンテロウイルスのサーベイランスには正確なウイルス分離と同定が必要である。これまでエコーウイルス同定用のプール抗血清はデンカ生研から販売されていたが,いくつかの欠点が指摘され改良されるべく試みがなされてきた。しかし,現在不備なところがあることから,新たにプール抗血清を作製する案が希少感染症診断技術向上事業のエンテロウイルスレファレンス委員会で検討され,それが実行の運びとなった。地研と予研とで協同して抗血清を作製,予研で血清プールを作り,地研でテストを行うという手順で作業は進んだ。この間2年近く要した。

 日本で比較的よく分離されるエコー3,4,5,6,7,9,11,14,16,17,22,24,30の15の血清型が選ばれ,担当する実験室で作られた抗血清を抗体価等のチェックの後,6グループにプールした。これまでに小規模に使用された結果では,抗原性の異なる株については同定されにくいという報告があるものの,おおむねうまくウイルスの同定ができているようである。不具合がいくつか見つかったところで,それらを改良していく予定である。

 各支部センターを通じて各地研の要望に応じて配布される。ただし,使用にあたっては使用状況を報告することが義務づけられている。本エコーウイルス同定用プール抗血清の名称は「EP-95」とした。



エンテロウイルスレファレンスセンター 予研ウイスル第二部 萩原昭夫


抗エコーウイルスプール血清





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