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Vol.17 (1996/10[200])

<外国情報>
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)のサーベイランス−英国


 CJDは脳の進行性変性疾患で,英国や他国での大多数のCJD症例は散発的に発生するが,15%以内は家族性に発生し,プリオン蛋白(PrP)をコードする遺伝子に変異がある。狂牛病(BSE)がヒトに伝播するのではという関心から,1990年にCJDサーベイランスユニットが設立された。1994年は100万人あたり0.92,1995年は暫定的に0.64であり,国際的な数字である0.1〜1の範囲に入っている。BSEが少ないかほとんどゼロの他のヨーロッパ諸国と同じである。大多数の症例は中年以降(平均63歳)であるが,新変異CJDは若い年齢層に起こっているようである。1996年6月末までに英国では12例の新変異症例が確認されている。この新しい病気が認定されて以来,CJDのデータが頻繁に報告されるようになった。CJDサーベイランスユニットでは,神経学者,神経病理学者など様々なソースから疑わしい症例を確かめている。ユニットの神経病理学実験室での死後検索により,疑似症例が確定ないし推定CJDとされる例は約半数である。

(CDSC,CDR,6,No.35,303,1996)






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