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Vol.17 (1996/7[197])

<国内情報>
E coli O157:H7による集団下痢症について−岐阜市


 平成8(1996)年6月10日,A小学校において欠席者56名中50名が腹痛,下痢で欠席していることが判明。学校保健委員会では,胃腸風邪と思われるが,登校した児童のなかにも腹痛を訴えるものが多いので単なる胃腸風邪とは考えにくいと判断,食中毒の可能性も考え保健所の調査が始まった。

 同日,保健所から当衛生試験所に,A小学校の検食5日間分(6月3日〜6月7日)と,登校してから腹痛を訴えた児童の便1件分が搬入された。

 サルモネラ,腸炎ビブリオ,病原性大腸菌,カンピロバクター,セレウス菌,ウェルシュ菌,エルシニア菌について検査を実施,検食はすべて陰性,児童の便からは,E. coli O157:H7が検出された。さらに,PCR法,RPLA法によるVT検査の結果,VT1,VT2産生が認められた。その後の検便からも同じE. coli O157:H7が複数検出されたので,保健所は食中毒と断定,調査を行っている。



岐阜市衛生試験所





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