HOME 目次 記事一覧 索引 操作方法 上へ 前へ 次へ

Vol.17 (1996/7[197])

<外国情報>
湖水が汚染源とみられる大腸菌O157:H7の流行,1995−米国・イリノイ州


 1995年7月5日,地方病院から北イリノイのWinnebago郡衛生局にRockfordの児童5例のO157:H7感染が報告された。両親への面接から,共通の食品は無く,6月24,25日に湖水浴場のある州立公園を訪れていたことが判明した。7月6日にイリノイ公衆衛生局は湖水による感染が疑われたため水浴場を閉鎖した。

 疫学および実験室解析:6月24日〜7月1日までにRockfordに在住/滞在した者のうち,電話報告や電話調査により計12例(培養で菌確認された7例,抗体価陽性3例,HUSで菌確認された1例,培養陰性の血性下痢1例)が確認された。7名が男性で,年齢は2〜12歳に分布しており,潜伏期間の中央値は4日(0〜6日)であった。血性下痢は9例あり,うち3例(年齢は2,4,5歳)がHUSに進行し入院した。CDCで検査した結果,湖で泳いだ6名から分離された株はすべて毒素陽性で同一のPFGEパターンであった。水浴と罹患の関連について患者対照研究が7月6〜13日に行われ,患者・対照のマッチング解析により,湖での水泳が唯一の危険因子であることが示された(患者7名は湖で水泳,対照7名は水泳せず)。さらに,7月14〜28日に湖で泳いだ人を対象に患者対照研究が行われ,湖水を口に含む,飲み込むことが罹患者危険因子と推定された。

 環境調査:公園は2つの連結した湖を含む。6月24,25日に推定2,200〜2,500の人々が訪れた(推定罹患率0.3%)。2つの屋外便所に水漏れは見られず,手洗いは利用できなかった。シャワー用水や噴水式水飲みを7月10日と12日に調べたがコリフォームは陰性であった。水質に影響するような家禽農場や下水排水口は繋がっていなかった。水鳥は多いが糞からはO157:H7は検出されなかった。O157:H7は水中で1カ月以上生存できるので残りのシーズンは水浴場は閉鎖された。

 ほとんどのO157:H7の流行は調理不十分な汚染された牛挽肉の摂取に由来するが,りんご汁・野菜・水の摂取,汚染水中での水泳も原因となる。この報告は1991年以来米国で報告された3番目の湖関連のO157:H7感染である。

(CDC,MMWR,45,No.21,437,1996)






前へ 次へ
copyright
IASR