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Vol.17 (1996/6[196])

<外国情報>
アメリカライオン(cougar)の乾し肉摂食関連旋毛虫症の発生,1995−米国・アイダホ州


 1995年1月アイダホ州エルク市近くで男性がアメリカライオンを射殺し,1月15〜18日の間肉を塩水に漬け,燻製にしたが,その時の温度はそれ程高くはなかった。次の4週間に他の14名にこの肉を分け,その後1カ月間に全員がこの乾し肉を食べた。

 最初の男性は1月26日に発熱,筋肉痛,関節痛,顔面浮腫,倦怠感が起こり,好酸球が48%,好中球32%,リンパ球17%と高率に見られ,旋毛虫症が疑われた。

 アメリカライオンの乾し肉についての検査では旋毛虫の幼虫が発見され,PCRでこれらは低温に対して抵抗性のあるTrichinella nativeTrichinella T6であることがわかった。患者の筋肉の生検では好酸球を伴った肉芽腫様筋炎を示し,血清反応も陽性であった。

 3月3日〜4月10日の間に乾し肉を食べた14人にインタビューを行なった結果,さらに9人が陽性であった。計10人中筋肉痛があった者7人,発熱6人,皮疹3人,衰弱3人,関節痛2人であった。これらの患者はメベンダゾールで治療され,乾し肉を食べた全員は旋毛虫症の予防法について教育された。

(CDC,MMWR,45,No.10,205,1996)






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