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Vol.16 (1995/12[190])

<外国情報>
精神障害者施設における赤痢アメーバ感染−台湾


 赤痢アメーバは一般に孤児院,刑務所,精神障害者施設など,多くの人々が集まる所で流行する。未発表であるが,1987年〜1990年に台湾の12の精神障害者施設の4,803名の血清についてIHA法での赤痢アメーバの抗体検査を行った。平均陽性率は30%であった。

 今回は1994年9月に同様の施設の1,530名に対して直接塗抹法と遠心沈殿法を用いて糞便検査を行い,うち335名(22%)から虫卵または原虫を見出した。感染者は男性に多く,病原性のある赤痢アメーバ感染が167名(11%)であった。

 赤痢アメーバの感染率は日本(13%,Nagakura et al.,1990)アメリカ(17%,Sexton et al.,1974)の同様の施設で行われた検査報告より低いが,今後は施設自らの定期的な検査と治療と共に衛生教育と環境衛生の改善を行い,さらなる感染を防ぐべきである。

(台湾疫情報導,11,No.7,107,1995)






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