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Vol.16 (1995/6[184])

<外国情報>
結核患者におけるHIV感染検査−WHO


 HIV感染は結核感染を広げる最も強力な因子であることはよく知られている。HIVと結核両方に感染している人が結核を発症する危険性は年間5〜10%であり,生涯でみると50%にのぼる。この2つの感染症の発生頻度の高い地域では,結核感染の顕著な増加を引き起こしている。1990年には新しい結核患者の4%はHIV感染によると推定されていたが,2000年までにはこれが14%にまで高まるだろう。HIVの同時感染は結核の患者管理を複雑にするので,HIV感染の危険のある結核患者にはHIV検査が勧められる。これにより,結核とHIV両方の臨床管理の改善,および他の感染症の予防対策が可能となる。

 現在,HIV感染結核患者の治療法はHIV非感染者と同じであるが,例外として,HIV同時感染者にはチオアセタゾン投与を避けるべきで,これは,HIV感染者には重篤で時に致死的な皮膚反応をもたらすからである。

 個々の結核患者に対し,HIV検査を考慮するときは,事前にカウンセリングを行い,明確な同意を得るべきである。HIV検査後も必ずカウンセリングを行うべきである。自発的なHIV検査についてのガイドラインがWHO AIDSグローバルプログラムによって発行されている。

(WHO,WER,70,No.70,50,1995)






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