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Vol.15 (1994/4[170])

<外国情報>
呼吸器のクラミジア感染


 クラミジアの呼吸器感染,すなわち輸入ペット鳥が原因となったオウム病は100年以上も前から報告されている。オウム病の起因菌はC. psittaciで,1930年代にヨーロッパおよび北アメリカで大流行した。現在でもオウム病の発生はみられるが,最近では新しい種であるC. pneumoniaeが,ヒトの呼吸器感染の重要な起因菌として認識されるようになった。C. pneumoniae感染は世界的に見られ,抗体保有率は成人で20〜70%である。CDSCには年間約300例のクラミジア呼吸器感染例が報告されるが,ケンブリッジ州における予測調査では76%はC. psittaci関連であり,24%はC. pneumoniaeによるものとされている。またC. trachomatisによる呼吸器感染は乳児肺炎が主で,米国ではクラミジア陽性母親から生まれた子供の20%〜50%が感染し,10%〜20%が肺炎を起こすが,ヨーロッパではもっと低いのではないかと考えられている。クラミジアの血清診断は依然として補体結合反応が主体で,感染クラミジアの種別が可能な検査は一部の機関に限られている。分離ではC. pneumoniaeの培養は極めて難しいこと,C. psittaciはバイオセーフティーレベル3であることに注意する。抗原検査は痰でも可能であるが,非特異反応が出ることからルチーンな方法ではない。適切な抗生物質を使用するためには迅速で正確な診断法を開発する必要がある。また,それは疫学の解明にも有用である。

(CDSC,CDR,3,RbR,R119,1993)






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