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Vol.15 (1994/4[170])

<外国情報>
新しいハンタウイルス,1994−米国・フロリダ


 1993年10月22日,フロリダの33歳の男性が重篤な呼吸器症状で入院した。第11病日の血清中にMuerto Canyon Virus(MCV)に対するIgG抗体が検出された。しかし,IgM抗体は検出されず,6週間後にIgG抗体の上昇も見られなかった。患者は発症前6ヵ月以内は旅行をしていないが,以前,MCVの症例と感染ネズミが確認された地域に住んでいた。

 周辺地域の齧歯類を調査したところ,ワタネズミ(Sigmodon hispidus)の13%(12/90)がハンタウイルスに対する抗体が陽性であった。これらのネズミの肺組織から得たPCR産物の遺伝子配列は,MCVとルイジアナで発見されたものに最も近いが,それらとは異なる未知のハンタウイルスを示唆していた。

 ワタネズミは米国南東部から南部中央に生息している。今回見つかったハンタウイルスのヒトに対する病原性は明らかでないが,MCVと同様の注意が必要である。

(CDC,MMWR,43,bU,99,1994)






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