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Vol.14 (1993/12[166])

<外国情報>
リフトバレー熱−エジプト


 最近エジプトで,リフトバレー熱がヒトおよび動物に12年ぶりに出現した。

 最初にヒトの症例が気付かれたのは,93年5月末アスワン地区で,眼疾患であった。41例中35例の血清を調べたところ,77%にリフトバレー熱ウイルス特異的IgM抗体が見つかった。この地区では,5〜7月に牛や水牛に異常に高率に流産が発生し,抗体が検出された。流産した水牛の胎盤からウイルスも分離された。8月にアスワン地区の住民に抗体調査を行ったところ,6.1%(47/676)がIgM抗体陽性で,約6,000名の感染者がいると推定された。昆虫のベクターを同定するため,4属10種,のべ41,915匹の蚊を集めウイルス分離を試みている。

 エジプト政府は,家畜の移動制限,不活化ワクチンの接種,蚊対策,疑い例のサーベイランスの強化等の緊急対策を開始したが,既にナイル川デルタでもヒトに流行が起きている。1977〜78年当時のような大流行に発展するのではないかと懸念される。

(WHO,WER,68,No.41,297,1993)






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