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Vol.14 (1993/1[155])

<外国情報>
リステリア症サーベイランス−英国


 英国では1987〜1989年にリステリア症が多発したため,1989年にソフトチーズ等ハイリスクの食品摂取に対して警告を出した。その結果1990年の報告数は前年に比べて半減し118例,1991年は130例にとどまった。発病率は1.8/100万で,高齢者が高く(80〜89歳:11,90〜99歳:17),青年層は低かった(10〜19歳および20〜29歳:0.3)。1991年の報告のうち25%(32例)は妊産婦関連で,この中には7例の流産と4例の死産が含まれていた。新生児では敗血症(5),呼吸困難(2),発熱,下痢(3),髄膜炎(5)等の症状がみられたが,母親は1例を除いて無症状であった。母親8例,新生児14例,母と児7例からL.monocytogenesが分離された。75%(98例)の非妊産婦関連のうち65例が,腫瘍(25),糖尿病(6),臓器移植(5)などの基礎疾患を持つ例,あるいは免疫抑制剤を使用している例(23)であった。英国で検出された菌の60%は血清型4であった。

(CDSC,CDR,2,RNo.12,R142,1992)






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