HOME 目次 記事一覧 索引 操作方法 上へ 前へ 次へ

Vol.13 (1992/2[144])

<外国情報>
施設のA型インフルエンザ対策:ワクチンの補助としてのアマンタジン投与 1989〜90−米国・ワシントン


 201人収容(平均年齢85歳)の施設で1989年11〜12月上旬に113人(56%)にワクチン接種を行った。12月26日以降AH3N2(この期のワクチン株と同一抗原性)が流行した。発病は投与群21/113(19%),非投与群14/88(16%),有病期間は投与群6.0日,非投与群8.5日。1月12日,186人(93%)にアマンタジン100mg/日,10日間の経口投与を開始した。その後18日間の患者発生は0.3人/日(それ以前は1.6人/日)。5人が副作用(幻覚,めまいなど)を訴え,これは投与中止で消失した。ワクチンは有病期間の短縮と死亡リスクを下げうる。流行株と一致した場合は肺炎阻止に70%以上有効とみられる。アマンタジンはワクチン禁忌,またはワクチン効果が間に合わない場合などにも有効だから,施設関係者は地域および施設内のインフルエンザ情報に注意し,A型発生が報告された場合はワクチン投与歴に関係なく,職員を含め全員にアマンタジンを投与すべきである。

(CDC,MMWR,40,49,841,1991)






前へ 次へ
copyright
IASR