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Vol.13 (1992/2[144])

<外国情報>
輸入ココナッツミルクによるコレラ−米国


 1991年8月,メリーランドで下痢による脱水症状で入院した患者からエルトールコレラ,小川型菌が検出された。患者は発症前に6名で会食しており,他の2名も会食後下痢を発症していたことが判明。検査の結果,下痢を発症した2名と無症状の1名にVibriocidal抗体価の上昇が確認された。菌陽性の1名および抗体陽性の3名はいずれも海外渡航歴がなく国内感染であったため,原因の究明が実施された。原因食として疑われたのは全員が喫食した冷凍ココナッツミルクを用いたプディングであった。FDAの検査の結果,東南アジア(タイ)から輸入された冷凍ココナッツミルク(プディングに用いたものと同一商標)からコレラ毒素産生のエルトールコレラ,小川型菌が検出された。菌は未開封の6袋中1袋から検出されたが,コレラ菌の他,V. cholerae non-O1,V. fluvialisV. alginolyticusAeromonas sp., Salmonella B群,E1群,E2群等も検出された。

 1991年1月以降タイから米国に輸入された冷凍ココナッツミルク(8オンス入り,36,160個)は自主的に回収され,FDAはその後の輸入を停止した。

(CDC,MMWR,40,49,844,1991)






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