HOME 目次 記事一覧 索引 操作方法 上へ 前へ 次へ

Vol.12 (1991/9[139])

<外国情報>
水痘の疫学,1977〜90−シンガポール


1977〜1990年の水痘患者年間報告数は790〜18,934(平均4,747)である。1984年以降増加がめだち,10万対の罹患率をみると1977年34.0が87年は165.0,90年には705.1に達した。死亡8例の年齢は1歳以下から58歳。死因は脳炎が多く,他では肺炎,敗血症など。罹患者の男女比は1.4:1,1982年以前は5〜14歳の罹患率が高かったが,85〜90年は15〜24歳が最高となった。近年の報告数増加の一因は報告率の上昇にあるとみられる。水痘は日本,米国など温帯地域では冬〜早春に流行し,患者の60%が5〜9歳で,9〜13歳までに大部分が感染するのに対し,シンガポールでは一年中流行し,抗体保有率は5歳以下が4%,5〜14歳でも21%にすぎず,水痘患者の70%を成人が占める。成人の水痘は重症例や合併症の頻度が高いので問題である。

(Singapore ENB,17,No.5,27,1991)






前へ 次へ
copyright
IASR