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Vol.12 (1991/7[137])

<外国情報>
回帰熱,1990−米国アリゾナ・グランドキャニオン国立公園


1990年6月,グランドキャニオンから帰ったカリフォルニア住民が発症,発熱時の末梢血スメアにスピロヘータを検出し,回帰熱と診断された。テトラサイクリンで治癒した。ついで7月5日と12日,アリゾナ住民が発症,3人とも公園内の小屋に宿泊歴があった。その後の調査で,公園従業員244人中2人が発症,1人は髄膜炎で入院したことが判明,また,1990シーズン中の小屋宿泊者1万人中14人が発症,7人が入院していた。8月中にすべての小屋の齧歯類の排除と駆虫剤処置を行った。

ここでは1973年に62人の感染者が出た。回帰熱の病因スピロヘータであるBorrelia hermsiiおよびB. turicataeは米国西部に常在する。多くの場合,これを運ぶダニの咬口は気付かれず,また,発症が4〜18日後なので診断が難しい。髄膜炎,中枢神経系麻痺がみられることがある。対血清のスピロヘータ抗体の測定は有用である。対策はダニに咬まれないようにすること。

(CDC,MMWR,40,No.18,296,1991)






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