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Vol.12 (1991/6[136])

<外国情報>
腎移植者のサイトメガロウイルス感染のプロスペクティブ調査,1982〜89年−カナダ


サイトメガロウイルス(CMV)感染は腎移植で最も重要な問題であり,カナダでは腎や骨髄移植のために最近2年で13kg(約75万ドル)のCMV高度免疫グロブリンが投与されている。1982年以降8年間のオタワにおける腎移植例144例を調査した。移植前はラテックス凝集およびIFAによる抗体測定,移植後は12ヵ月間月2〜1回血液と尿を採取した。CMV感染が疑われた場合はさらに頻回の検査と,他の材料によるウイルス分離と血清診断が実施された。144例中65(45%)がCMV感染を示した。初感染(移植前陰性者の陽性化)は29/75(39%),再活性化/再感染は36/69(52%)であった。これは米国の報告(77〜95%が陽性化)よりかなり低い。オタワの組織提供者のCMV陽性率が低く(53%),陽性者から陰性者への移植をできるだけ避けていることが低い理由だろう。移植後感染までの期間は幅が広く(中間値5〜6週),初感染と再活性化との間に差がみられないので,感染の成立を予測するのは難しい。

(Canada DWR, 16−46,231,1990)






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