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Vol.12 (1991/2[132])

<外国情報>
クラミジア検査の偽陽性例,1990−米国・オハイオ


一民間検査所のC. trachomatis検査が偽陽性であったことを確認したCDCと衛生局の報告のまとめである。問題の検査(10/25例および3/90例が陽性と診断された)は標準法細胞培養が用いられたが,培養後の抗原検出がFAの代りにEIAでなされた。比較試験がCDCと検査所の両者で6人の直腸スワブと咽喉材料について実施された結果,IF培養確認法ではすべて陰性,EIA培養確認法では5直腸スワブと2咽喉材料が陽性となった。上記陽性検体のPCRおよび抗体がいずれも陰性なので,今回の陽性結果はすべて偽陽性と結論された。この結果から,次のことが強調された。1)検査材料には認められたもののみが使用できる。抗原検出(EIA,DIF)および核酸検出は組織材料の場合だけに利用しうる。2)診断結果が重要な場合は標準的細胞培養IF法を用いる。3)「培養」とはクラミジアに特異的細胞封入体を見ることを意味する。これを鏡査法の利点と限界を十分に理解した上で実施する必要がある。

(CDC,MMWR,39,No.51&52,932,1990)






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