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Vol.11 (1990/7[125])

<外国情報>
ロッキー山紅斑熱(RMSF)とヒトEhrlichiosis,1989−米国


 1989年中に603例のRMSFが報告された(1981年1,170例以降減少中)。224(37.1%)は南大西洋地域。78.3%が5〜8月,58.3%が発症14日以内にダニに咬まれた。49.1%に発熱,頭痛,発疹の組合せがみられた。発生率は5〜9歳が最高(0.35/10万),全体の致死率は1.2%。

 RMSFは間接蛍光抗体法および関節赤血球凝集反応がよい。CF,ラテックス凝集法およびMicroagglutinationは感度が落ちる。Weil-Felixは適さない。感染初期2週間は抗体検査は大部分(−)だから,1回の陰性結果では感染は否定されない。早期診断法としてリケッチア培養(検査室感染のリスクがある),発疹部位の直接FA(感度50〜70%),急性期血液からのPCRによるリケッチア検出などが実施可能である。

 米国ではヒトEhrlichiaE.canisまたは近縁リケッチア)症は1986年に初めて報告された。RMSFと同様ダニで伝播する急性熱性疾患だが,発疹は短期間,約1/3のみにみられる。1989年の検査室診断例として38が10州で確認された。

 Ehrlichiosisは地域によってはRMSFより多い。オクラホマで1987年のRMSF検査用ペア血清249中,E.canis(+)とR.rickettsii(+)はそれぞれ29(11.6%)と同数であった。南ジョージアの病院では1987〜88年18ヵ月中8例を検出(RMSFは1例)した。

 CDCはRMSFのPCR検査とヒトEhrlichiosis血清診断を受け付けている。

(CDC,MMWR,39,No.17,1990)






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