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Vol.10 (1989/12[118])

<外国情報>
シンガポールのデング熱/デング出血熱


1969年媒介蚊駆除プログラムを開始し,蚊発生家屋指数が減少しているにかかわらず,1986,87,89年に連続して流行がみられた。1988年の血清疫学調査の結果は全体で64.3%が感受性,特に15歳以下の感受性率が高い。1973年の流行の主流は子供だったが,その後は年長児および青年層に患者のピークが移行している。1989年は5月中旬に患者が急増し,5〜9月に616例が報告された。男女比は1.2:1。中国系がマレー系の4倍,インド系の2倍である。約80%が入院。患者2例の急性期血清からデング4型ウイルス(1960年代以降初)が分離された。死亡2例。媒体蚊駆除プログラムの成功が集団免疫の低下というパラドックス的効果をもたらしている。主な蚊発生場所は以前は工事現場と屋上タンクだったが,今回の調査では集合住宅である。家屋内の発生場所をなくすことを徹底するよう居住者の協力を求めている。

(ENB,XV,10,1989)






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