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Vol.10 (1989/11[117])

<外国情報>
リステリア症−スペイン


 1983〜87年に136例のリステリア分離症例が報告された。約半数(72例)がバルセロナ,サラゴーサ,バレンシアの3地域からの分離であった。発生の季節性はみられず,集団発生もない。男女の発生はほぼ同数。年齢分布では年齢判明事例の約50%が新生児,1〜15歳3%,16〜40歳および40〜70歳がいずれも19%,71歳以上8%であった。主な臨床症状は,髄膜炎:48(35.3%),菌血症:45(33.1%),新生児敗血症:29(21.3%)などで,特に新生児髄膜炎が感染形態の主流である。本菌感染のリスクグループとして新生児の他に妊産婦,腎移植者,癌患者等(いずれも約3%の発生)が含まれている。同時期に報告された非髄膜炎菌性髄膜炎1,422例中,リステリアによる例は48(3.4%)であった。食品を介しての感染,免疫不全宿主の易感染性等今後注意が必要である。

(WHO,WER,64,34,1989)






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