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Vol.10 (1989/11[117])

<国内情報>
希少感染症診断技術向上事業について


 平成元年度より,厚生本省結核・感染症対策室および国立予防衛生研究所に対して,新たに標記の事業に対する予算が計上された。本予算は,感染症予防対策費の一部であり,その目的は,医師や検査機関が経験したことのない新しい疾患やまれな疾患,あるいは,ルチーンの診断法が確立していないために地方衛生研究所の検査室では診断困難な疾患を対象に,診断技術のレベルアップを図ることとされている。

 本省結核・感染症対策室は本事業の実施にあたり,予研関係者8名,地研関係者10名および対策室長,室長補佐からなる企画検討委員会を設置した。また,予研内には希少感染症小委員会(仮称)および窓口担当者会議を設置し,具体的な実施案について検討した。事業内容および窓口担当者は以下の通りである。

1.希少感染症として,本年度は,ウイルス性出血熱,紅斑熱,ライム病の3疾病が対象とされたことから,これら感染症の検査試薬の試作,検査法の標準化を図る。

2.本予算が計上された背景には,昭和54年度より進められてきた公衆衛生微生物検査における「検査情報のシステム化に関する研究」「レファレンスシステムに関する研究」および「精度管理に関する研究」など,10年間に亘る一連の研究活動がある。今回の新設予算は,レファレンスシステム,あるいは検査の精度管理の分野の事業化と考えられることから,研究班活動のなかで試行的に設置されたエンテロウイルス,溶血レンサ球菌およびカンピロバクターのレファレンスセンターに関する事業の継続を図る。

3.研究班活動の中で取り上げられ,予研と地研との協力体制によって新しい診断法の開発が検討されているSRV,ならびに食品衛生上重要な病原体で,地研で実施可能なDNA診断法の開発が望まれているビブリオの2病原体をレファレンス開発研究として取り上げる。

4.事務局は予研ウイルス中央検査部に置く。本事業に関する全体の窓口は事務局が担当する。

<窓口担当者>

 1.希少感染症検査試薬の試作,検査法の標準化

  ウイルス性出血熱   倉田 毅(予研)

  ライム病       森  守(予研)

  紅斑熱        坪井義昌(予研)

             萩原敏且(予研)

 2.レファレンスセンター

  エンテロウイルス   原  稔(予研)

  溶血レンサ球菌    永瀬金一郎(予研)

  カンピロバクター   大橋 誠(都衛研)

 3.レファレンス開発

  SRV        山崎修道(予研)

  ビブリオ       渡辺治雄(予研)



国立予防衛生研究所 萩原 敏且(事務局担当)





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