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Vol.10 (1989/9[115])

<外国情報>
鳥類由来でないオウム病−英国


 1975〜83年のCambridgeshireにおけるヒト・オウム病の調査で150例(73%は呼吸器型)中,トリ由来は17%だけだった。

1985年の軽症肺炎流行の病因は,1965年に台湾でTrachoma dubiumの子供の結膜から分離されたChlamydia agent TWAR(Taiwanese Acute Respiratory)であることがDNAホモロジーで確認された。これはプラスミドを欠き,DNAが他のクラミジアと明らかに異なっている。英国の患者のTWAR抗体保有率は19.9%,5歳以下の感染はまれである。マイクロIFのIgM検出でC.psittaciまたはC.trachomatisとの鑑別が可能だが,交叉反応があるので注意を要する。

西スコットランドの15〜88歳女性228人のTWAR抗体保有率は13.5%だった。血清学的に確実なTWAR感染3例の症状は,13歳女子の喘息性気管支炎,65歳女性の異型肺炎および47歳男性の臨床的にマイコプラズマ感染が疑われた例であった。TWAR因子は英国に広く分布し,呼吸器感染症の病因となっているとみられる。現在のところ,テトラサイクリンおよびエリスロマイシンに対する感受性についての情報は十分得られていない。

(WHO,WER,64,31,1989)






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