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Vol.10 (1989/6[112])

<外国情報>
AHCの流行,1988−中国,タイ


 中国(Hebei県): 7〜9月に中国各地でAHCが流行,Hebei県では眼ぬぐい液60検体中52からHeLaおよびHELでウイルスを分離。分離株は100U抗Joseph株血清および1U抗EH24血清で中和されたが,10U抗体Josephおよび100U抗EV70血清では中和されなかった。回復期血清の中和抗体価は1/640以上であった。

疫学調査で437人(144家族)中87人が罹患,家族集積性あり,患者年齢は2〜72歳で年齢差はなかった。流行は7月30日以降37日続き,ピークの8月半ばに48.3%の患者が発生した。潜伏期は4時間〜4日(中間値29.2時間),1/4が出血性,有症期間は2〜30日(中間値8.37日),1例では1回目の症状が治癒後,3日目に抗体価1/640であったにかかわらず2回目に発症し,CA24vが分離された。

 タイ・疫学部サーベイランス週報:1988年1〜9月にAHCが62,618例報告された。北部の発生率が高かった(182/10万)。年初めから前5年の平均より報告が多い時期が続き,6月に流行が明確になった。血清学的に,バンコク中部の学生28ぺア血清中23例がEV70に陽性,チェンマイの17例はCA24vに陽性だった。これはタイにおける1975年以降初めてのCA24v流行確認報告である。

 タイ・バンコク:中和抗体測定で1月にバンコク都市部でAHC34例中28例が血清学的にEV70感染と診断された。さらに6月に北部17例および北東部53例中17例がCA24v感染と診断された。

(Virus Information Exchange Newsletter, 6,bP,1989)






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