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Vol.10 (1989/5[111])

<外国情報>
リステリア症とpasteurized牛乳−米国


本報はリステリア症について牛乳pasteurization に関する情報のまとめである。米国各州または地域の基準は少なくとも71.7℃15秒(高温短時間法)または62.8℃30分を指示している。人工的にリステリア菌を混入した牛乳の加熱試験で,71.7℃において1log10低下に0.9秒,他の試験では2.75〜3.1秒を要した。普通,牛乳中の濃度は約10細菌/mlとみられるから基準は十分マージンがあるとみられる。さらに,自然に近い条件として,感染牛からの牛乳(103〜104/ml)では71.7℃15秒で菌陽性,76.4〜77.8℃15秒で陰性。白血球細胞内リステリア菌(感染牛にみられる)が耐熱性を示したとみられるが,このよな高濃度は一般的ではなく,自然感染牛からの牛乳は標準法で陰性だったので,WHO作業部会は,基準法はリステリア菌の濃度をヒトに安全なレベルまで下げるのに有効であると結論した。

1977〜88年の調査で,米国の700以上の牛乳工場の加熱牛乳の2%がリステリア菌陽性であったが,これの対策としては標準法を確実に守ることおよび,加熱後の汚染を防ぐことに焦点をあてるべきであろう。

(CDC,MMWR,37,No.49,1988)






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