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Vol.9 (1988/5[099])

<国内情報>
山形県山間部の中学校で季節はずれのB型インフルエンザ流行(1988年4月)


 今冬季(昭和63年1〜2月)に流行したA香港型およびB型インフルエンザの流行は、3月になると患者数が減少し、まもなく終息した。ところが、4月11日、新潟県境に近い県南山間部(飯豊町)および県中央部の山間部(朝日村)における2つの中学校で、発熱(38〜39℃)、咳、咽頭痛、鼻汁過多および関節痛などを主訴とした、かぜ様疾患が集団発生した。

 私達は、4月12日に飯豊町の中学校を調査した。在校生19名中15名が罹患しており、12〜14日までの3日間を休校としていた。これらの患者のうち病日の新しい3名から咽頭拭い液を採取して、発育鶏卵を用いてウイルス分離を試みたところ、2株のB型インフルエンザウイルスが分離された。ウイルス分離および同定成績は表1、2に示した。

 その後、本県では4月20日現在までに、上記2地区以外にかぜ様疾患の集団発生の報告はなく、これらの流行は2地区に限られたようである。



山形県衛生研究所 大山 忍 阿部昭子


表1.ウイルス分離成績
表2.分離ウイルスの同定成績





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