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Vol.9 (1988/2[096])

<国内情報>
AIDS患者およびHIV感染者の将来推計に関する研究報告書概要


昭和63年1月8日



 T.目的

 我が国におけるAIDS対策に資するため,AIDS患者およびHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染者発生の現況の推定と将来の動向の予測。

 U.方法

 厚生省のAIDSサーベイランス委員会報告およびその他の公表された研究報告などを推計の基礎資料とし,リスク群別に,現時点および将来数年間までの患者および感染者を推計した。

 V.推計結果

 1987年末の感染者数,1992年の感染者数およびAIDS患者数の推計結果は表の通り。

 W.まとめ

 1.我が国の1987年末のAIDS患者は,大部分が医療機関において把握されているものと考えられるが,HIV感染者については,サーベイランス委員会で把握されていない者も含め約2,400人と推計される。

 2.1992年末におけるHIV感染者数は約3,000人,累積患者発生数は260人から300人程度と推計される。

 3.現段階におけるAIDS患者およびHIV感染者の推計に必要な基礎的資料が不足しているので,今後,実態把握のための疫学調査を行い,今回の推計について見直す必要がある。

 4.我が国のAIDS患者およびHIV感染者は,当面,男性同性愛者および凝固因子製剤の受注者が主となると考えられるが,長期的には異性間の性的接触による感染が増加する可能性がある。

 今後,感染の危険の高いグループとして,AIDS多発地からの帰国者・外国人入国者,風俗関連産業従事者,売春婦,麻薬・覚せい剤常用者,感染者の配偶者などが考えられ,これらのグループに対しては重点的に教育およびサーベイランスを行うことが必要と考えられる。



AIDS患者およびHIV感染者の将来推計に関する研究班
(厚生省保健医療局感染症対策室)


AIDS患者・HIV感染者推計





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