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Vol.9 (1988/2[096])

<外国情報>
高力価ポリオ不活化ワクチン追捕−ワクチン諮問委員会,米国


 委員会の見解としては,米国のポリオ免疫は基本的には経口ワクチン(OPV)によるべきであり,下記に述べるような特別な場合に高力価不活化ワクチン(IPV)を使用するものとする。ただし本題については1988年までひきつづき検討する。

 一般的不活化ポリオワクチンは1955年に導入され,その後OPV導入により,使用は年間1%以下に減少した。IPVはヒト二倍体細胞で作製され,臨床試験は1984年に完了した。3回接種(生後2,4,18月)が行われたが,接種児は初回時母体抗体をもつにかかわらず,2回後すでに99〜100%が全型に抗体を獲得した。追加免疫は平均抗体価を5〜10倍上昇させた。3回接種後に1型OPVを投与してウイルス排泄をみると,IPVは一般不活化ワクチンよりは排泄が少ないが,経口ワクチンと比較すると明らかに排泄阻止効果は低い。

 先天性免疫疾患,低ガンマグロブリン症,AIDSまたは免疫抑制状態の者およびその家族,接触者にはIPVがよい。無症状HIV感染児でOPV投与が問題となった例はないが,家族が免疫不全である可能性があるからIPVの方が安全である。

 正常ワクチン投与児の家族にはOPV投与がすすめられる。

 (CDC,MMWR,36,No.48,1987)






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