HOME 目次 記事一覧 索引 操作方法 上へ 前へ 次へ

Vol.8 (1987/12[094])

<外国情報>
貝類による疾患,1941〜1986−英国


 1941〜86年に報告された貝類関連食中毒は138事例である。27件はウイルス性胃腸炎,92件は病因不明だが,臨床症状および潜伏期からウイルス性とみられた。A型肝炎は6件だった。以前から2枚貝がほとんどに関連しているが,1981年以降,かき関連例が増加し,1981〜86年の61事例中5例は二枚貝のみ,43はかきのみ,13例が複数の貝類と関連した。

 1987年は現在までに19事例,900人が報告された。SRSVとパルボ様粒子が1事例の患者便材料で検出された。11はかき関連,5はトリ貝,2はイ貝類のみ,1はトリ貝とイ貝が関連した。1例では同一店のイ貝を食べた2名が肝炎になった。

 1981年以降の報告数の増加はサーベイランスの充実と魚貝類の摂取の普及によるだろう。しかもまだ過少評価であろう。1979〜83年の18,000におよぶ感染性肝炎の届出は魚貝類が原因かもしれない。2枚貝と下痢ウイルスの関連は貝を採取する河口の汚染を意味する。ふつうの清浄法ではこれらウイルスは除かれない。冷蔵されていた貝はふつうの調理法では適切な温度に達しないだろう。

(CDR,87/42,1987)






前へ 次へ
copyright
IASR