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Vol.8 (1987/10[092])

<外国情報>
妊娠中の風疹ワクチン接種,1971〜1986−米国


 CDCは1971〜86年中に妊娠前後3ヶ月に風疹生ワクチンを接種した1,176例の報告を受けた。3種類の生ワクチンによる胎児異常のリスクがプロスペクティブに追跡された。

 CendehillおよびHPV-77ワクチンについては(MMWR,Vol.31,477既報)538例の追跡がなされ,290出生児に先天性風疹症候群(CRS)はなかった。血清学的には8出生児に感染が証明された。

 RA27/3ワクチンは1979年認可後635例の妊娠時接種が報告された。このうち接種前抗体陰性の224例については,170例が生産,11が流・早産,30が人工流産,13が不明である。CRSはなく,血清学的にこれら出生児に感染はみとめられなかったが,接種前抗体不明の母親からの出生児中2例に不顕性感染がみられた(3〜4ヶ月後IgMが1:8〜32)。

 人工流産30名中19名,自然流産2例,別に文献紹介例13例の胎児からのウイルス分離では1例からウイルスが分離された。

 ワクチン株が胎盤を通過し胎児に感染することは確かなので,理論上のリスクは除外できないから,ひきつづき妊婦の風疹生ワクチン接種は避けるべきである。しかし,リスクは無視しうるほど低いので,妊娠3ヶ月以内の接種は中絶の理由にはならない(表)。

(CDC,MMWR,36,28,1987)



TABLE Maximum theoretical risks of congenital rubella syndrome (CRS) following rubella vaccination, by vaccine strai - United States, 197-1986*



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