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Vol.8 (1987/10[092])

<外国情報>
小児ボツリヌス症−英国ブリストル


 生後5ヵ月の男子の小児ボツリヌス症が報告された。患児は6月7日,経口ポリオワクチンの第1回投与を受けて3週間後に四肢全部に対称的下方運動ニューロン異常を発現,呼吸困難のため集中治療室に収容された。ギランバレー症候群とワクチン関連小児麻痺が疑われ,便中に3型ポリオウイルスが検出されたが,脳脊髄液の白血球および蛋白含量は正常であった。6月15日に採取された便検体からボツリヌス菌と関連毒素とが検出された。患児はもはや機械呼吸を必要とせず着実に回復しつつある。

 これは英国で報告された小児ボツリヌス症の2番目の症例である。第1例は1978年,生後5ヶ月の女児が便秘,虚弱,摂食困難を示し,便中にA型毒素が同定された。小児ボツリヌス症は米国で1976年に初めて報告されて以来,世界中で500症例以上が記録されているが,大多数は北アメリカである。

(CDR,87/29,1987)






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